今年7月、1人の公認会計士が誕生した。難関の公認会計士試験に合格後、今夏、監査法人での2年間の実務を終えて、公認会計士として認可されたのだ。難関とはいえ、公認会計士の合格者数は年間1000人超。ただ、彼のキャリアはひときわ異色だ。プロ野球、阪神タイガースに1997年ドラフト6位で指名され、投手として在籍した元プロ野球選手なのだ。元プロ野球選手が公認会計士になるのは初の快挙。新たな夢を叶え、第一歩を踏み出した奥村武博氏が、決して平坦ではなかった道のりを語る。 今から4年前の2013年11月。その瞬間、思わず「あった!」と声が出た。公認会計士・監査審査会のサイトに掲載された「平成25年公認会計士試験」の合格者一覧に、自分の受験番号が載っていたからだ。信じられない気持ちで、何度も何度もサイトと受験票の番号を見返した。 プロ野球選手を引退して12年、公認会計士を志してから9年の月日が経っていた。合
![38歳、元阪神投手の公認会計士が悟った真実](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c2c0eab557996f6c2a5e9dcefeb587e898f26c4b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2F7%2F1200w%2Fimg_a76499578c4895f63f5139c2b2abf82b483213.jpg)