ヒトの万能細胞から、精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」を安定的につくることに成功したと、英ケンブリッジ大などのチームが24日付の米科学誌セル電子版に発表した。マウスでは京都大のチームがすでに成功しているが、ヒトでは安定してつくるのが難しかった。 受精卵を壊してつくるES細胞と、体の細胞からつくったiPS細胞を万能細胞として使い、それぞれ始原生殖細胞に変化させた。これまでも作製に成功したとの報告例はあったが、今回の研究では、マウスと違って「SOX17」という遺伝子が重要な役割を果たすことを突き止め、安定的につくれるようになったという。 この始原生殖細胞を精子や卵子に変えられるようになれば、精子や卵子ができる仕組みを詳しく調べることができるようになり、将来的には不妊の原因解明にも役立つ可能性がある。