北朝鮮情勢がのっぴきならない状況に陥っている。 北朝鮮の絶対的指導者である金正恩労働党委員長が、北朝鮮の生存が核武装とICBM(大陸間弾道弾)の開発にかかっていると確信している以上、もはや自主的にこれを放棄させることは不可能と言わざるを得ない。 現在、石油の禁輸措置を含む厳しい制裁が国連安保理で話し合われているが、中国がやや制裁に前向きな姿勢に転じているものの、今度はその分ロシアが反対姿勢を明確にするなど、アメリカが提案する制裁が実施される見通しは明るくない。中国が専門で国際的な軍事情勢にも詳しい小原凡司氏は、中国はロシアが拒否権を発動することで制裁が実現しないことを前提に、制裁案を容認する姿勢を示しているだけなので、いざ制裁が通りそうになれば、中国は反対する可能性が高いと指摘する。 つまり、北朝鮮の命綱とも呼ぶべき石油の9割を提供している中国とロシアが、いずれも厳しい制裁は支持していない
中国の習近平(シーチンピン)指導部は、外交問題を総括する楊潔篪(ヤンチエチー)国務委員(副首相級)を12~13日の予定で米国に派遣することを決めた。北京の外交筋によると、ティラーソン国務長官らトランプ政権高官らと、北朝鮮の核・ミサイル問題の対応などについて協議するという。 中国は北朝鮮の6回目の核実験を受け、北朝鮮への制裁強化を受け入れる姿勢を示しているが、米国が求める石油禁輸などには慎重な姿勢を崩していない。習国家主席は「総合施策による永続的解決の道を求める」とし、対話路線の重要性を強調。楊氏はこうした姿勢を米側に改めて説明し、問題解決に向けた道筋について米側と意思疎通を深めたい意向だ。 一方、米中関係では、トランプ氏が年内に中国を公式訪問する方向で調整が進められているほか、クシュナー大統領上級顧問夫妻が9月中にも訪中する計画も検討されている。楊氏はこうした一連の訪中計画についても、米側
番組の責任者から発言内容の修正を求められていた――。日本テレビ系の情報番組を降板するコメンテーターのこんなツイートが話題になっている。真相がはっきりしないままメディア不信が広がり、言論空間が細ってしまう、と危惧の声も出ている。 このツイートをしたのは評論家の宇野常寛氏(38)。自らのツイッターで8月31日、出演する朝の情報番組「スッキリ!!」を9月で降板すると公表。政治的発言が理由でトラブルになったことを明らかにし、投稿へのリツイートは2万件を超えた。 宇野氏はツイッターで、日中戦争中の南京事件に否定的な本を置いていたアパホテルについて、1月19日の放送で「歴史修正主義だ」と批判したことを紹介。その結果、「(日本テレビに右翼の)街宣車が押し寄せ」たため、番組側が問題視したのではないかと主張した。ユーチューブにも自ら説明する映像を投稿し、「僕は事実上のクビだと解釈しています」などと約30分語
少年のように、いたずらっぽく笑って言う。「所詮(しょせん)、おいらがやると、全部お笑いにしてしまうから」 騒々しいバラエティーから一新、歴史を掘り下げる教養番組としての色合いが濃くなるという「FNS27時間テレビ にほんのれきし」(フジ系、9日午後6時30分~10日午後9時24分)の総合司会を務めるが何のその、自分の土俵に引き込むつもりだ。 「お堅い問題でも関係なく強引に持っていっちゃうから。ヘタすりゃ、戦争を考えるところでもね。相当怒られるけど」。毒とちゃめっ気を言葉に同居させる、この人ならではの表現である。 制作発表会見では、補佐役を務める関ジャニ∞の村上信五から「ほぼほぼ歴史上の人物ですよ」とたたえられた。笑いの世界でトップに立ち、役者もやる。映画を撮ればベネチアで最高賞を受賞し、誰にもまねできない絵も描く。 多才とはこの人のこと。では、偉大な功績が連なる来歴を振り返って、どの時代が
(続)K・ギルバート「嫌中・嫌韓本」の悲劇 これが21世紀の『菊と刀』? 「日本人論」? 大槻慎二 編集者、田畑書店社主 前稿「<K・ギルバート「嫌中・嫌韓本」の悲劇――安倍首相と自民党こそ、儒教の具現者?>」の末尾に、「編集者ならばまず最初にチェックするべき」と記して、この本の最大のブーメラン、すなわち版元である講談社に向かうブーメランについて触れたい衝動が抑え難くなってきた。 大槻慎二 K・ギルバート「嫌中・嫌韓本」の悲劇――安倍首相と自民党こそ、儒教の具現者?(WEBRONZA) 福嶋聡 K・ギルバートの本で心地よくなってはならない――「日本は素晴らしい」と快感を覚えるより、そこに「他山の石」を見るべきなのだ(WEBRONZA) この原稿を書くために手に入れた本は奥付を見ると19刷。巻き替えられた帯には「40万部突破!!」とある。よく売れて結構なことである。 ところでその帯であるが、
小脇に抱えたバイオリンを戯れにかき鳴らしてさえ、音に命が宿る。アンサンブルで演奏すれば、縦横無尽な調べで音楽が輝く。 作曲当時の楽器や奏法を用いる古楽の名門楽団「オランダ・バッハ協会」のコンサートマスターを、2013年から務める。来年6月には、30年余り楽団を率いた指揮者ヨス・ファン・フェルトホーフェンさん(65)の後任として、音楽監督に就く。日本人の若手が伝統ある楽団を引き継ぐことは、現地で驚きを持って迎えられた。 今年2月に就任を打診され驚いた。指揮者でもなければ、バッハ演奏で重要な声楽の専門家でもない。考えたすえ、「引っ張るのでなく、まとめ役のリーダーなら。すべてはできない、やらないほうがいい」と、腹をくくる。 2歳でバイオリンを始めた。4歳の時、経済学者である父の留学でアメリカへ渡り、そのままアメリカで育つ。ジュリアード音楽院プレ・カレッジやカーティス音楽院で学び、19歳になった0
高齢を理由に自動車の運転をあきらめる人が増え、病院や買い物などに行くための移動手段をどう確保するか、深刻な問題になっている。こうした中で「将来型モビリティ」とよばれる乗り物がどこまで活用できるのか、考える講座が12日午後7時から、東京都千代田区の区立日比谷図書文化館(http://hibiyal.jp)で開かれる。 同館の主催。将来型モビリティには新しいタイプの電動車いすや、1~2人乗りの電気自動車で国も普及を後押しする「超小型モビリティ」などが含まれる。 「将来型モビリティは近い将来を変えるか?」と題した講座では、機械振興協会経済研究所の太田志乃さんが、こうした乗り物の普及をめざす実証実験や規制の現状について紹介。聴講者と対話しながら、これからの移動手段としての可能性などについて考える。 参加費1000円、定員200人。電子メール(college@hibiyal.jp)に講座名と氏名、連
北朝鮮は9日、建国69周年にあたる記念日を迎えた。労働新聞(電子版)は同日の1面トップに掲載した社説で、原爆と水爆を保有する核保有国であることを強調し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)など「最先端武器」をさらに製造していかなければならないと主張した。 日米韓は記念日にあわせて北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのではないかと警戒してきた。9日正午時点で具体的な兆候はない。 労働新聞はこの日の社説で「我々は原爆、水爆とともにICBMまで保有する名実ともに核強国、世界的な軍事強国の地位に上り詰めた」として「核保有国」としての立場を強調。さらに「最先端の主体武器をさらに製造し、3・18革命、7・4革命、7・28の奇跡的勝利と同様の大事変を続けて成し遂げなければならない」と主張した。 北朝鮮は今年3月18日、ICBM開発を念頭に置いた大出力エンジンの地上燃焼実験に成功したとし、7月4日と同28日の2度にわ
陸上男子100メートルで、21歳の桐生祥秀(よしひで、東洋大4年)が9日、9秒98(追い風1・8メートル)をマークし、日本選手で初めて10秒を切った。福井市であった日本学生対校選手権の決勝で記録した。人類が初めて電気計時で9秒台に突入したのは、1968年にジム・ハインズ(米)が記録した9秒95で、それに遅れること49年。ようやく日本選手が9秒台に突入した。 これまでの桐生の自己最高は10秒01。従来の日本記録は、日本陸上競技連盟強化委員長の伊東浩司氏(当時富士通)が98年のバンコク・アジア大会でマークした10秒00だった。世界記録は2009年にウサイン・ボルト(ジャマイカ)が記録した9秒58。 滋賀県出身の桐生は、京都・洛南高3年だった2013年、当時の日本歴代2位となる10秒01で走り、注目を浴びた。一昨年3月には米テキサス州であった競技会で追い風3・3メートルの参考記録ながら9秒87を
書店が減るなか、小規模でも特色のある本を売り出す「小商い」で、活路を見いだそうとする人たちがいる。小さな書店、1人で切り盛りする出版社――。それぞれの循環も生まれている。 東京都杉並区。JR中央線の荻窪駅から歩いて十数分のところにある書店「Title(タイトル)」は、辻山良雄さん(44)と妻が2016年1月に開いた。 辻山さんは以前、大手書店リブロの池袋本店で勤務。15年に同店が閉店したのを機に独立し、約70平方メートルの店舗で個人編集の雑誌を積極的にそろえる。辻山さんが目をとめて発注したり「置かせてほしい」と申し出があったり。少部数雑誌や地方出版社の本が1割を占める。 出版社「タバブックス」(東京都世田谷区)もそのうちの1社。宮川真紀さん(55)が5年前に起業し、実質1人で切り盛りする「ひとり出版社」だ。 宮川さんは「大部数を目指さなくていいので、新しい著者や価値観の本を出せる」。年2回
書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が増えている。出版取り次ぎ大手によると、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、全国の自治体・行政区(1896)の2割強を占める。「文化拠点の衰退」と危惧する声も強い。 トーハン(東京)の7月現在のまとめによると、ゼロ自治体が多いのは北海道(58)、長野(41)、福島(28)、沖縄(20)、奈良(19)、熊本(18)の順。ほとんどは町村だが、北海道赤平市、同歌志内(うたしない)市、茨城県つくばみらい市、徳島県三好市、熊本県合志(こうし)市、宮崎県串間市、鹿児島県垂水(たるみず)市など7市や、堺市美原区、広島市の東・安芸両区の3行政区もゼロだ。 出版取り次ぎ大手・日本出版販売(東京)の別の統計では「書店ゼロ自治体」は4年前より1割増えた。 全国の書店数は1万2526店で、2000年の2万1654店から4割強も減った(書店調査会社ア
首相官邸報道室は、東京新聞記者が菅義偉官房長官の記者会見で、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設の可否を検討する「大学設置・学校法人審議会」の答申をめぐって不適切な質問をしたとして、東京新聞に抗議した。記者会見での個別の質問に文書で抗議するのは異例だ。 8月25日の官房長官会見で、東京新聞記者が質問で「今回、学校の認可の保留という決定が出た」と言及。質問した時点では政府が正式に結果を公表していなかったため、官邸報道室は9月1日、「未確定な事実や単なる推測に基づく質疑応答がなされ、国民に誤解を生じさせるような事態は断じて許容できない」との書面を同社に出した。 菅氏の8日の記者会見で、他メディアの記者が、東京新聞の質問時点では各社が認可保留の見通しを報じていたと指摘し、「東京新聞記者だけが厳しく注意されるのか」と質問。菅氏は「政府の立場で改めて答えることは控えさせていただくが、記者会との
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く