本当は怖い小池百合子氏のリセット ポピュリズムで進める新右派転換。戦後リベラルの価値観・規範は崩壊の瀬戸際か 中野晃一 上智大学国際教養学部教授・政治学(日本政治、比較政治、政治思想) 「改革保守政党を目指す」。先月27日、新党「希望の党」の結党の記者会見で、代表の小池百合子・東京都知事はそう語りました。象徴的な言葉だと思います。 冷戦の終結期以降、日本の保守には何度も危機がおとずれました。そのたびに「改革」を掲げた「保守」が現れて保守を救い、政治の右傾化を進めてきた経緯がありました。今回も同様の事態が起きる可能性があります。 日本の右傾化の特徴とは 日本の右傾化には、幾つかの特徴があります。 一つには、政治主導であること。社会は政界の右傾化を追うかたちで、右傾化してきました。二つには、右傾化のプロセスが単線的ではなく、限定的な揺り戻しを挟みながら、じわじわと進展すること。三つには、右派が