政府の要請で医療用ガウン(手前)を製造する縫製会社の社員=東京都杉並区で2020年4月30日、梅村直承撮影 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療現場で使われるマスクやガウン、人工呼吸器などの不足が問題化した。浮き彫りになったのは、日本の医療品調達の海外依存度の高さだ。政府は国産化を急ぐが、実現には課題も多い。 世界的にマスクが不足し始めていた3月中旬。「100万枚単位でないと、取引はできない」。医療用防護具を扱う「モレーンコーポレーション」(東京都中野区)の草場恒樹社長は、中国企業に医療用高機能マスク「N95」を発注したが、つれなく断られて絶句した。 N95は従来、国内需要の7割を国産で賄っていたが、新型コロナの感染拡大で需要が国内の生産能力の4倍にまで急増した。同社は不足分を補うため、中国などの海外企業に生産を委託し、日本の医療機関向けに輸入しようとしていた。 だが、欧米諸国は政府自