岸田文雄首相は、自分がトップリーダーなのにさまざまな人の顔色をうかがい、一貫性がない。この国をどこに持っていきたいのか、就任から8カ月以上たっても分からない。 岸田氏が尊敬するという大平正芳元首相ら自民党宏池会の政治家には、確かに聞く力はあったが、世界はこうあるべきだという哲学があったうえで、多様なものを吸収していた。岸田氏には哲学がなく、翻弄(ほんろう)されているに過ぎない。それは聞く力とは言わない。 支持率が比較的高いのは、安倍晋三元首相、菅義偉前首相の横柄な態度が若干弱まり、財務省中心の安定的な政治にシフトして、落ち着いて見えるからではないか。安倍、菅両氏は人柄が支持されていなかったので、それよりはましということだ。第1次安倍内閣後の福田康夫政権と似ている。 争点は物価高、ウクライナ、ポストコロナ 今回の参院選で問われるのは物価高、ウクライナ、ポストコロナの3点だ。 物価高に対して岸