ロシア語の翻訳者は、いったいどうやって食っていっているのか。 日本全国で、数百人単位の趣味の人が、ロシア語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・フランス語の小説を原書で読んで「これ、面白いよなぁ」と話をする、という、ほとんど俳壇・歌壇の世界。 愛・蔵太の少し調べて書く日記--翻訳小説が出なくなる 実際のところ、貿易とか文化交流、外交、教育分野、特殊技術以外では食えていないだろう。しかし、私の知る限り、みんな「好き」だから本業の傍らで時間を割いてやっている。 私も本業は出版社勤務の編集者なので、「売り上げ」ということは常日頃から考えている。だが、時としては「売り上げ」よりも「必要性」で考えることもある。 ロシアSFへの関わりは、「必要」だと思っているから続けている。確かに出版は「産業」であるので、売れなければ仕方がないし、そもそも会社としてはやって行けない。しかし、同時に「本」というのは文化で