東京都目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が虐待を受けて死亡したとされる事件では、児童相談所(児相)が何度も関わっていながら、小さな命を救うことができなかった。専門家は、児相と関係機関の連携の必要性を指摘する。 厚生労働省によると、虐待が疑われるとして全国の児相が2016年度に対応したのは12万2575件に上る。一方、08~15年度の8年間で心中以外の虐待で亡くなった子は408人。うち約4人に1人は、児相が関わったことがある子どもだった。 どの段階で警察へ連絡するかなどの基準は、自治体によってまちまちだ。子どもの支援にかかわる自治体職員は「子どもを長い期間見守るためには、親との信頼関係を築くのが一番大切。警察と訪問した途端、態度を硬くする親も多い」と話す。 一方で、都内のある児相では、親が子どもと会わせることを拒否したため、警察に援助要請して立ち入り、未就学の女児を保護したケースもある。茨