ブックマーク / honz.jp (19)

  • ”素人にこんなオモロイ本を書かれたら困るがな” 的な医学エンタメ『人体大全』 - HONZ

    医学系書籍の現状と将来について講演する機会に、いくつかの提案をしたことがある。その時、特に重要性を強調したのは、良き書き手の育成である。売れ筋の医学系書籍をしらべてみると「トンデモ」が並んでいて愕然とする。その理由のひとつは、まともな医学系書籍は面白くない、あるいは、面白く書ける人が少ないということにある。できれば「このようなオモロイを書けるような著者を育てるべきだ」と例をあげて話したかったのだが、あまり適当なを思いつけなくて諦めた。その講演のすぐ後で、書を読む機会があった。あぁ惜しい、タッチの差であった。このを知っていたら胸をはって紹介できたのに。 この、まず何しろ面白い。それだけでなくて、わたしのような医学研究者にとっても、知らないことが多くて勉強になった。著者はいったい何者なのかと、ビル・ブライソンがこれまでに書いたを調べてみた。多くは旅行関係で、他には『人類が知ってい

    ”素人にこんなオモロイ本を書かれたら困るがな” 的な医学エンタメ『人体大全』 - HONZ
  • 『ジェンダーと脳──性別を超える脳の多様性』 女性的な特徴と男性的な特徴が入り混じったモザイク - HONZ

    「女性は親切で、コミュニケーション能力が高い。他方で、男性は攻撃的で、空間認識に長けている」。性差に関するそうした主張を、あなたもどこかで耳にしたことがあるだろう。さらにあなたは、そのような主張が展開されるなかで、「女脳」「男脳」といった言葉が使われているのを目にしたことがあるかもしれない。「女脳はコミュニケーションに関わる領域が大きく、男脳は空間認識能力が発達している」という具合に。 そうした主張は、学説としても俗説としても、形を変えながら繰り返し現れている。しかし、女性と男性の性差は、当に脳の違いによって説明できるのだろうか。当に「女脳」「男脳」なるものが存在するのだろうか。書は、イスラエルの神経科学者がそれらの問題に真摯に挑んだ1冊である。 著者が自らの考え方を一変させることになったのは、ひとつの実験を知ったからだという。ラトガーズ大学の研究者によるその実験では、メスとオスのラ

    『ジェンダーと脳──性別を超える脳の多様性』 女性的な特徴と男性的な特徴が入り混じったモザイク - HONZ
  • 『眠りがもたらす奇怪な出来事──脳と心の深淵に迫る』 夢遊運転病、セクソムニア、非24時間睡眠覚醒症候群 - HONZ

    『眠りがもたらす奇怪な出来事──脳と心の深淵に迫る』 夢遊運転病、セクソムニア、非24時間睡眠覚醒症候群 睡眠――。人生における多くの時間が費やされているにもかかわらず、それにはいまだ多くの謎が残されている。書は、奇怪とも言える睡眠障害の症例を足掛かりとしながら、それらの謎に迫らんとする快著である。 著者のガイ・レシュジナーは、睡眠を専門とする高名な神経科医である。彼が勤務するロンドンの睡眠障害クリニックには、種々の問題を抱えた患者がイギリス中から集まってくる。それらの症例はじつに不可思議で、彼らの経験談はじつに衝撃的だ。その点を鮮やかな筆致で描き出しているところが、書の大きな魅力のひとつであろう。 たとえば、70代女性のジャッキーの話。彼女は幼少の頃より夢遊病に悩まされてきた。ただ彼女の場合、眠りながら立ち歩いたり、眠りながら飲をしたりするだけではない。なんと彼女は、服を着替え、ヘ

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  • 『合成テクノロジーが世界をつくり変える』生命・物質・地球の未来と人類の選択 - HONZ

    人類は神になるのか? 遠い未来の地質学者が、私たちの生きる時代を調査したら、こんな結論に至るだろうーー「人類の影響による惑星規模の変化があった数々の痕跡が見つかる」。ノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェンらは、こうした大転換に、「人新世」という新たな地質年代を名づけることを提唱した。 書は、人類の及ぼす惑星規模の変化を、テクノロジーの面から探究する。今や人類は、自然の仕組みの最も奥深くまで手を延ばし、それをつくり変えようとしている。原子・遺伝子・生命・種(しゅ)や生態系・人類自身・気候に至るまで、思い通りに設計し合成(人工化)しようというのだ。 こうしたテクノロジーによる変化は、気候変動や環境破壊などとはまた違った様相を示している。気候変動などは人類が意図したわけではなく、産業・経済活動による意図せざる結果だった。しかし、合成テクノロジーは違う。はじめから明快な狙いをもって、万物を

    『合成テクノロジーが世界をつくり変える』生命・物質・地球の未来と人類の選択 - HONZ
  • 悪に科学で踏み込む──『悪について誰もが知るべき10の事実』 - HONZ

    書は、人間が行う悪的な行動について、それがどのような原因によって引き起こされるのかを科学的に解き明かしていこうと試みる一冊である。悪を科学的に解き明かす──といっても、その前段階にある問い、悪とはいったい何なのか、というのがまず難しい問題だ。正義は人の数だけあるというけれど、それは悪にだって当てはまるからで、容易に誰かが悪であるとは言えないし、今多くの人が当たり前に行っていることが悪であると定義することだってできるだろう。 とはいえ、書では悪とは何かについてそう深く踏み込むことはなく、いわゆるサイコパスの脳はどうなっているのかといった神経科学的側面からはじまって、精神障害と犯罪率の高さには相関があるのか? どのような時にネット上で攻撃性が発露されるのか? 小児性愛などの性的逸脱、レイプについてなど、多くの人がまず悪とみなすであろう他者への攻撃性の発露に関する悪に的を絞って、様々な実験結

    悪に科学で踏み込む──『悪について誰もが知るべき10の事実』 - HONZ
  • 『お金の流れで読む日本と世界の未来』歴史は少しずつ形を変えながら、似たような形で反復する - HONZ

    ジム・ロジャーズは言う。 私は常に、歴史の流れを踏まえながら、数年先を見るようにしている。歴史の流れは、先を読む力、とりわけお金がどう動くかという未来を教えてくれる。 成功したければ、将来を予測しなければならい。 ロジャーズは、「イングランド銀行を潰した男」の異名を持つ、かの有名なジョージ・ソロスのかつてのビジネスパートナーであり、ソロスと共にクォンタム・ファンドを立ち上げた、世界的に有名な投資家である。 今は子供の教育のため、特に中国語をマスターさせるためにシンガポールに移住し、そこを拠点に世界中に自己資金を投資している。 1973年から運用を開始したクォンタム・ファンドは、10年間で40倍以上のリターンを出したと言われる伝説のヘッジファンドで、その投資手法は「グローバル・マクロ」と呼ばれる、世界各国の経済状況や金融市場の動向をマクロ的な視点で分析し、株式や債券を始めとする様々な金融商品

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  • 『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』 - HONZ

    書『ホモ・デウス——テクノロジーとサピエンスの未来』は、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが『サピエンス全史――文明の構造と人類の幸福』に続いて、該博な知識とじつに多様な分野の知見を独創的に結集して著したHomo Deus: A Brief History of Tomorrowの全訳だ。ただし、前作同様、最初のヘブライ語版が刊行されてから著者が行なった改訂や、日語版用の加筆・変更を反映してある。 全世界で800万部を超えるベストセラーとなっている前作では、主にサピエンス(著者は他の人類種と区別するために、現生人類であるホモ・サピエンスをしばしば「サピエンス」と呼ぶ)の来し方を顧みたのに対して、作ではその行く末を見据える。『サピエンス全史』では、認知革命、農業革命、科学革命という三つの革命を重大な転機と位置づけ、虚構や幸福をはじめとする斬新な観点を持ち込みながら過去を振り返り

    『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』 - HONZ
  • 『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ

    一般に、は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 「ディアトロフ峠事件」をぼくはまったく知らなかった。これは冷戦下のソヴィエトで起きた未解決事件である。 1959年1月23日、ウラル工科大学の学生とOBら9名のグループが、ウラル山脈北部の山に登るため、エカテリンブルク(ソ連時代はスヴェルドロフスク)を出発した。 男性7名、女性2名からなるグループは、全員が長距離スキーや登山の経験者で、トレッキング第二級の資格を持っていた。彼らは当時のソ連でトレッカーの最高資格となる第三級を獲得するために、困難なルートを選んでいた。資格認定の条件は過酷なものだったが、第三級を得られれば「スポーツ・マスター」として人を指導することができる。彼らはこの資格がどうしても欲しかったのだ。 事

    『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ
  • 思わず吹いた!バカ質問書名TOP25 - HONZ

    前回の「ハマザキ書ク」コラムでは『ベスト珍書』の刊行を記念して、「珍ダイエット書ベスト30冊」という記事を書きました。既刊書全点チェックしている時に、『セックス・ダイエット』や『牢屋でやせるダイエット』など、思わず失笑してしまったヘンなダイエットを沢山目撃してしまったのです。

    思わず吹いた!バカ質問書名TOP25 - HONZ
  • 脳はいかにして現実を認識するのか──『あなたの脳のはなし: 神経科学者が解き明かす意識の謎』 - HONZ

    我々は”現実”をありのまま受け取っているわけではない。いったん視覚情報や触覚情報といった身体表面から情報を受け取り、それを脳で解釈することによってはじめて”人間用に最適化された、人間用の世界”を構築する。我々はある種のフィクションの世界を生きているわけだ。 と、大層な語りだしではじめたけれども、書はそうした現実の解釈機関である脳についての一冊だ。著者のデイヴィッド・イーグルマンは日でも『あなたの知らない脳──意識は傍観者である』で知られる神経科学者で、巧みな文章で脳科学の世界を紹介する伝達者である。書は著者が監修・出演した(世界で人気なのだ)BBCのテレビ番組の書籍版であり、「人はどうやって決断を下すのか」、「人はどうやって現実を認識するのか」など縦横無尽に語ってみせる。 書だけで脳科学が全てわかるわけではないが(そんな事はどんなでも無理だ)、分野の動向を概観し、入り口とするため

    脳はいかにして現実を認識するのか──『あなたの脳のはなし: 神経科学者が解き明かす意識の謎』 - HONZ
  • 『人はなぜ物語を求めるのか』物語との、虫のいい付き合い方 - HONZ

    書は物語論(ナラトロジー)と呼ばれる研究分野の視点から、人はいかに物語によって世界を理解しようとしているのかを説く一冊だ。 物語論の一部門である「筋(プロット)」研究には、「それなりに人間学的な背景があります」と著者は言う。書では旧約聖書から桃太郎に至るまで、古今東西の様々な物語とその分析が引用され、さらには認知心理学や神経科学などの知見にも触れながら、幅広い例とともに、私たちと「ストーリー」との密接な関係を描き出す。 著者はいくつかのポイントに着目しながら、いかに私たちが「物語化」することを通して目の前の出来事に意味を与え、世界を認識しているかを示していく。 まず大きく書かれているのが、「因果関係」について。たとえば、前後関係が因果関係にすり替わってしまうようなことがある。「Aが起こった後に、Bが起こった」というのが「Aが起こったから、Bが起こった」に変換される、といったことだ。年表

    『人はなぜ物語を求めるのか』物語との、虫のいい付き合い方 - HONZ
  • 『コネクトーム 脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか』 - HONZ

    心をつかさどっているのは心臓であると、かつては広く信じられていた。心臓はドクドクと拍動する特別な臓器であるうえに、気持ちが高ぶれば鼓動が速まりもするから、そう考えるのはごく自然なことだったろう。エジプトでミイラを作る際にも、心臓は大切に取り出され、別個にミイラ化されたのに対し、脳は、耳や眼窩、あるいは頭蓋にあけた小さな穴から搔き出され、捨てられていたようだ。人びとは古来、心の働きに多大な関心を寄せてきたが、脳がいったい何のためにあるのかはわからないままだった。 脳の研究と言えるようなものがはじまったのは、長い歴史をもつ人類の知の営みの中では、ごく最近のことでしかない。ようやく18世紀になって、人の性格や能力を脳に結びつける「骨相学」の考えが生まれた。19世紀になると、細胞に色をつける染色技術が発明されたおかげで、脳もまた多くの細胞からできていることが明らかになった。それは脳研究にとって画期

    『コネクトーム 脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか』 - HONZ
  • 『脳はすごい』としか言いようのない『ある人工知能研究者の脳損傷体験記』 - HONZ

    自動車の追突事故。幸いなことに外傷はなく、CTスキャンなどの検査でも異常は認められなかった。しかし、さまざまな神経障害で生活に大きな支障をきたす外傷性能損傷(脳震盪症)患者となった著者・クラーク・エリオットは人工知能を専門とする大学教授。ほんとうにそんなことがあるのかと思えるほどに複雑な症状だ。つらかっただろうに、よく自らの症状をこれだけ克明に記録したものだ。 典型的な症状は、考えることができなくなったり、意思決定ができなくなったりすることだ。と聞いても、どういうことかわからないだろう。たとえば、リンゴとサラミをまな板の上に置いて切ろうとする。なんら意識することなく、どちらかから切ればいいのである。ところがエリオットにはそれができない。このことは、日常的に無意識におこなっている、と思えるようなことにも意思決定という過程がバックに必要であることを示している。 『ときに私の症状は、はなはだ滑稽

    『脳はすごい』としか言いようのない『ある人工知能研究者の脳損傷体験記』 - HONZ
  • 科学は生死の境界線を動かし続ける『人はいかにして蘇るようになったのか』 - HONZ

    死は可逆的なプロセスとなった 心拍が停止し、呼吸が停止し、瞳孔が拡大・固定される。この3つの条件がそろった場合、人は死んだとみなされていた。しかし近年の蘇生科学の発達は、遺体がこれら3つの条件を示した数時間以内であれば、人間を蘇らせ、脳や記憶に障害を与えずに元の生活に戻すことを可能とするようになった。 書では、幾度となく心停止の現場に際してきた臨床医師であり、ニューヨーク州立大学の医学助教授である著者が、蘇生科学の最先端の知見に基づき、死の現場で起きていることを明らかにしようと試みる。 私たちはよく生前と死後という表現を用いる。むろんその間にあるのは死だ。死という名のある一点におけるイベントが、両者を非連続に、そして永久的に分つ様を連想させる。しかし蘇生科学の発展は、死が0次元の瞬間ではなく、時間軸上の長さをもったプロセスであることを示唆している。「死んでいる最中」という状況が存在すると

    科学は生死の境界線を動かし続ける『人はいかにして蘇るようになったのか』 - HONZ
    walkalone
    walkalone 2015/09/03
    生死それぞれのグラデーション、タイタニック
  • 一つを極めれば、他は自ずと理解できる『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法』 - HONZ

    一つを極めれば、他は自ずと理解できる『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法』 趣味でも仕事でもいい。 長く一つのことを継続的に行なっていると、そこで覚えた技術、感覚、発想などがよく似た別の分野や、あるいはまったく異なる場面でも「応用」できることに気がついたことがないだろうか。 自分の例を出せば、長年レビューを書いてきた経験が、職であるWebプログラムの問題解決や、設計思想に影響を与え、逆にプログラムを学んだことがレビューで情報をどのように整理し、展開すべきなのかのヒントにもなることが何度もあった。これまではそうしたショートカットを「ラッキィ」という程度にしか捉えていなかったが、書を読むとそうした「ラッキィ」な状態を意図的に引き起こすことができるのだと理解できるようになった。 書『習得への情熱』は、かつて映画『ボビー・フィッシャーを探して』のモデルとなり、

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  • 『サボタージュ・マニュアル』あなたの会社はなぜ非効率? - HONZ

    第二次世界大戦中に米国戦略諜報局(OSS)が作成したサボタージュマニュアルの翻訳である。このマニュアルは枢軸国の占領下にある市民にできるかぎり仕事を怠けさせ組織の非効率化を図ることにより、枢軸国側の占領政策を混乱に陥れ、士気の低下や軍需物資の生産力を滞らせることを目的としている。 内容としては産業機械をそれとなく故障させるという技術的面が強いものから、「常に決められた手順を守れ」「文章による指示を要求し、誤った解釈をせよ」といったマネージメントに関係する物や「トイレを詰まらせる」「鍵穴に木片を詰め込め」といった悪戯レベルのもの、さらに遅滞性の発火装置を使って火災を誘発する方法と多岐にわたる。このような行為をひとつひとつを眺める事により、組織がなぜうまく回らなくなるかを逆照射しようというのが、書の狙いであるようだ。 書の「解説」では、第五章の11「組織や生産に対する一般的な妨害」という

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  • 『ゾンビの科学 よみがえりとマインドコントロールの探究』 - HONZ

    いまやゾンビは世界的なブームになっていて、映画ゲーム小説、コミックはもとより、経済学政治学などのとしても徘徊している。ネット上には「Zombie Research Society」なるサイトまであり、数十万人の会員が集う人気だ。もちろん、ここには「ゾンビ・サイエンス」のコーナーもある。 そう、「ゾンビの科学」は、最も旬な研究テーマのひとつであり、さまざまなトピックが科学誌を賑わせている。なかでも、書の第5章・第6章で紹介されている宿主の脳を操る寄生生物は、きわめてHOTな研究分野だ。 たとえば、ネコなどからヒトの脳へと感染し、宿主の性格・行動まで変えてしまう寄生生物、トキソプラズマ。なんと感染者は、世界で30億人!と言われる。また、体外に寄生しているのに宿主の脳を遠隔操作できる魔術師のような寄生生物、さらに宿主を去勢したり、自殺すら導ける寄生生物もいる。いまだ謎も多いその秘術に先

    『ゾンビの科学 よみがえりとマインドコントロールの探究』 - HONZ
  • 『なぜ人類のIQは上がり続けているのか? 人種、性別、老化と知能指数』 知能の謎に迫る! - HONZ

    著者ジェームズ・R・フリンは1980年代に発表した論文で、アメリカをはじめとする工業国で、時代とともにIQ(Intelligence Quotient)が上がり続けていることを確かな証拠で示した。人類が過去100年にわたって賢くなり続けているという研究結果は大きな反響を呼び、このIQ上昇は著者の名前から“フリン効果”と呼ばれるている。 フリン効果は、更なる疑問を呼び起こさずにはいられない。なぜ、人類のIQは劇的に向上したのか、21世紀もこの傾向は続くのか、そもそも人類の知能は当に向上しているといえるのか。書はIQ研究の世界だけでなく、知能そのもののとらえ方に新たな視点を提供したフリン自身が、様々な時代と地域のデータを丁寧に分析することで上記の質問に答えを出しながら、「時代や場所が人類の知性にどんな影響を与えているのか」を解き明かしていく。 日でのIQに対する関心は欧米ほど高くはなく、

    『なぜ人類のIQは上がり続けているのか? 人種、性別、老化と知能指数』 知能の謎に迫る! - HONZ
  • 捏造を知るにはこれを読め! 『背信の科学者たち』の緊急再版を訴える⇒再販が決定しました! - HONZ

    『背信の科学者たち』、この刺激的なタイトルのが化学同人から出版されたのは四半世紀前。1988年のことである。かけだし研究者であったころにこのを読んだ。驚いた。捏造をはじめとする論文不正を中心に、科学者のダークな事件をあらいだし、その欺瞞から科学をとらえなおそうという試みである。最初におことわりしておくが、この、後に講談社ブルーバックスとして出版されているが、いまは絶版になっている。 科学というのは、基が正直ベース。性善説にのっとった営みである。こういったことと自分はまったく無縁だと思っていた。まさか、10年後に捏造事件に巻き込まれるとは夢にも思っていなかった。そして、今回のSTAP細胞騒動である。 STAP細胞について、直接は関係していない。しかし、主人公以外の登場人物は、論文調査委員会のメンバーも含めて、個人的に知っている人ばかりである。そして、専門領域が近いこともあってか、ある

    捏造を知るにはこれを読め! 『背信の科学者たち』の緊急再版を訴える⇒再販が決定しました! - HONZ
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