話しかけると、流暢な反応が返ってきて、会話が展開される。アップルの「Siri」のような従来の人工知能と大きく違うのは、話す内容や表情、口癖までが、モデルになっている本人にきわめて近いことだ。 「ビナ48」は、「生きている」や「存在している」ということの意味を問いかけてくるような、マインドクローンロボットだ。「このロボットの基盤になっている人格や精神情報は、私の妻ビナのものです」。5年前にこのロボットを開発したマーティン・ロスブラッド氏はそう語る。 普段の会話から、さらに学習する 「ビナ48」にあらかじめインプットされているのは、ビナさんの記憶や個性、家族の情報など、1000項目以上の「ライフログ」だ。加えて、人との会話を重ねるごとに新たな情報を蓄積していくため、語彙や記憶、会話のバリエーションが広がっていく。 今後、マインドクローンはどのような形態に進化していくのだろうか。ロスブラッド氏は