人権派を投獄し、言論を弾圧──中国で習近平氏の人権弾圧が暴走している。昨年には香港で、民主化・自由化を求めるデモも発生。ジャーナリストの相馬勝氏が、中国の思想統制についてリポートする。 * * * 習近平時代の中国の「硬直性」はあちこちに出ている。環境汚染や毒物混入食品など生活に関連した時事問題、幹部の腐敗、愛人疑惑など政府に都合の悪いニュースを題材にしたブログは直ちに閉鎖され、インターネットや中国版ツイッター「微博」に書き込まれる政府批判は当局によって監視、削除される。そのための「検閲官」の数は約200万人と伝えられる。 海外メディアも監視の対象だ。米紙ニューヨーク・タイムズのオースティン・ラムジー記者が1月末、ビザ更新の前提となる記者証の発行が認められず、国外退去に追い込まれた。同様の迫害を受けた同紙記者はこの1年間で3人目。同紙は2012年10月、当時の温家宝・首相の親族の不正蓄財を