連載目次 IT訴訟事例を例にとり、トラブルの予防策と対処法を解説する本連載。前回までは3回に渡って「多段階契約」にまつわる争いを解説した。 今回は、顧客から預かったデータの管理をめぐる裁判例を解説する。 データを格納したサーバを運用するインターネットプロバイダーが、誤って顧客のデータを滅失(めっしつ)させてしまったら、責任はどこまで及ぶのか。 顧客のサーバを運用する立場の読者、顧客の情報を自社のサーバに入れて管理する立場の読者、そして業者にデータを預ける立場の読者にも、是非読んでいただきたい。 レンタルサーバ業者が顧客のデータを滅失した裁判例 まず、事件の概要を紹介しよう。 東京地裁 平成13年9月28日判決より抜粋して要約 ある建築業者がインターネットプロバイダーとレンタルサーバ契約を締結した。建築業者はレンタルしたサーバ上に宣伝用のWebサイトを開設し稼働していたが、プロバイダーはサー
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