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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (11)

  • コロナワクチンのつらい副反応は「良いこと」、研究続々

    2023年10月2日、オランダで新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける患者。頭痛や悪寒などの強い副反応は不快だが、ワクチンがより強い免疫反応を引き出して将来の感染に備えているサインなのかもしれない。(PHOTOGRAPH BY KOEN VAN WEEL, ANP/REDUX) 新型コロナウイルスワクチンの副反応におびえる人々に朗報だ。最新の研究によれば、強い副反応はワクチン接種後にウイルスと戦う抗体がより多く作られていることを示していて、良いことかもしれないという。論文は査読前の論文を投稿するサーバー「medRxiv」で2023年10月6日に公開された。 「強い症状を報告する人ほど、抗体レベルが高かったのです」と、この研究を率いた米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の臨床心理学者アリク・プレーザー氏は言う。 米ブラウン大学の腫瘍専門医ジェレミー・ワーナー氏は、新型コロナウイルスワクチ

    コロナワクチンのつらい副反応は「良いこと」、研究続々
  • 光合成による水の分解、「最大の疑問」をついに解明、定説覆す

    植物のタンパク質にレーザーで刺激を与え、その結果起こるプロセスをX線で捉えることによって、科学者らは光合成反応に未知の段階が存在することを発見した。画像はX線で透視したハグマノキの葉。(IMAGE BY NICK VEASEY, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 光合成は地球の生命にとって不可欠だ。生態系の基礎をになう植物は、これによって自らの栄養を得ている。しかし、光合成がどのような仕組みで行われているのかについては、まだ正確にはわかっていない。 今回、ふたつの新たな実験によって、光合成の中でも特に難しい反応のひとつである水の分解における謎の一端が明らかになった。 水の分子が分解されると、酸素が空気中に放出される。「われわれ全員が依存している、あらゆる高等生物にとって不可欠な酸素は、まさに光合成の副産物なのです」と語るのは、米ローレンス・バークレー国立研究所の化学者で、ひとつ

    光合成による水の分解、「最大の疑問」をついに解明、定説覆す
  • 食べ物の「3秒ルール」、2500回以上科学的に検証してみた

    科学的な実験の結果、このポテトチップスをべるかどうかを判断する基準は、3秒以内に拾うかどうかといった時間の問題ではないことが判明した。(PHOTOGRAPH BY LORI ADAMSKI PEEK) 私たちは子どもの頃から、ある疑問につきまとわれている。落としたべ物は、はたしてべても安全なのだろうか? 答えのひとつに、素早く拾えば大丈夫というものがある。いわゆる「3秒ルール」だ。よく似たルールは世界中にあり、米国では「5秒ルール」と呼ばれている。 それだけに、こうしたルールにさしたる根拠があるとは思えず、世界各地の家族の論争や科学展でもおなじみのテーマになっているが、2500回以上も科学的に測定を行った興味深い実験の結果があるので紹介しよう。 米ラトガーズ大学の品科学者ドナルド・シャフナー氏らが、2016年に学術誌「Applied and Environmental Microb

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  • 第102回 発達障害の睡眠問題、実はほぼ半数が悩む

    子供はスヤスヤとよく眠るイメージがあるが、実は大人と同様に睡眠問題に悩まされている子供が(親が)かなり多い。日の小学生にあたる就学児童を対象にした国内外の疫学調査でも、実に約4分の1の児童が何らかの睡眠問題を抱えていることが明らかになっている。その内訳も、夜型生活による睡眠不足や起床困難などいわゆる睡眠習慣の問題だけではなく、不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、睡眠時驚愕症(夜驚)、夢中遊行(いわゆる夢遊病)など多種多様な睡眠障害がみられる。 とりわけ睡眠問題が多く見られるのは「自閉症スペクトラム障害(ASD)」や「注意欠陥多動性障害(ADHD)」などの発達障害のある子供たちであり、その頻度が50%以上に跳ね上がる。これは一般児童の約2倍にあたる高頻度である。なぜ発達障害のある児童では睡眠問題が多いのか、その理由はほとんど明らかになっていない。発達障害で機能異常が疑われている神経ネットワ

    第102回 発達障害の睡眠問題、実はほぼ半数が悩む
  • “痕跡器官”とされた脾臓の役割解明

    人間の消化器系を示すイメージ図。左上に腎臓に似た形をした紫色の脾臓がある。2009年7月に発表された研究によると、マウスを対象に調査した結果、役立たずと思われていた脾臓は、実際には損傷を受けた心臓の回復に欠かせない役割を果たしていることがわかった。 Illustration by MedicalRF.com/Visuals Unlimited 人体には虫垂や扁桃腺(へんとうせん)、余った血流路など、痕跡器官と呼ばれる臓器が存在している。進化の名残ともいえるこのような器官は、あっても無くても人体にはそれほど影響がないと考えられてきた。しかし、医療研究技術の発達に伴い、痕跡器官にも実際には懸命に働いている臓器があることがわかってきた。 痕跡器官の好例が脾臓(ひぞう)である。最新の研究によると、損傷を受けた心臓の回復に欠かせない役割を果たしていることが判明したという。脾臓は腎臓に似た形で腹部の左

    “痕跡器官”とされた脾臓の役割解明
  • 第24回 朝型勤務がダメな理由

    最近、「朝型勤務」が話題だ。言い出しっぺの政府から範を垂れるということか、まずは今夏7〜8月に国家公務員の始業時間を原則1~2時間前倒しすることを決めたらしい。この種の話は時々登場しては自然消滅するが、今回は安倍首相が閣僚懇談会で朝型勤務の推進を直接指示したそうだから、これは重い。実際、厚生労働大臣名で経団連、日商工会議所、全国中小企業団体中央会に朝型勤務推進の協力を要請したとのことで、その気度が伺い知れる。 私の勤務先は行政府とのつながりが深く、現在でも厚労省関係の研究事業を数多く請け負っているし、医療政策上の提言などもする。国が決めた施策に真っ向から異論を唱えるのはいささか具合が悪い面もあるのだが、率直に言ってこの朝型勤務は「いただけない」。多数の労働者とその家族に心身両面の負担をかけることになるため、実行するのであれば少なくともセーフティネットを張る必要がある。

    第24回 朝型勤務がダメな理由
  • 謎の古代文明の遺跡を中米で複数発見、マヤとは別

    ※この発見についての詳細は、2015年12月30日発売の『ナショナル ジオグラフィック日版』2016年1月号で、見つかった都市の想像図や写真を含めて詳しく紹介します。 一部が人間で一部がジャガーの姿をした石の彫像。ホンジュラスの密林奥深くに眠る遺跡では、この他数多くの出土品が見つかった。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC) ホンジュラスの密林へ分け入った探検隊が、失われた文明の遺跡を発見したという驚くべき報告を携えて戻ってきた。この地域には昔から「猿神王国」あるいは「シウダー・ブランカ(白い街)」という古代文明にまつわる伝説が存在し、その遺跡がどこかに眠っているといわれてきた。探検隊はその場所を確かめるために、人里離れた未開のジャングルへと足を踏み入れた。 発見された遺跡は今からおよそ1000年前に栄え、その後滅びた文明のものと思

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  • 国際的な絶滅危惧種となったウナギを救う、二つの「劇薬」

    国際自然保護連合(IUCN)が、絶滅の恐れがある野生生物を評価したレッドリストで、ニホンウナギを絶滅危惧種に分類した。3ランクある絶滅危惧種の中で2番目に高い「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」である。 河川や湖沼などウナギの生息地となる環境が失われたことやダムや水力発電所、河口堰などの建設によって川と海を行き来するウナギの回遊が妨げられたことなどがウナギ減少の理由とされるが、なかでもウナギを絶滅近くにまで追い込んだ大きな理由としてIUCNが挙げているのが、乱獲つまりウナギの捕りすぎとべ過ぎだ。 世界のウナギの70~80%を消費しているといわれる日が、ウナギの保全にも最も大きな責任を持っていることを自覚し、ウナギ資源保全の取り組みを強化するきっかけにしなければいけない。 日の親ウナギの漁獲量は1981年の1920トンから2011年の229トンに減り、稚魚のシラスウナギの漁

    国際的な絶滅危惧種となったウナギを救う、二つの「劇薬」
  • 第1回 乱獲で資源は危機的に、生息地破壊も一因

    人がべているウナギは19の種・亜種が知られるウナギの一種、ニホンウナギで、日韓国台湾中国など東アジア一帯の海域の回遊してくる。沿岸に回遊してきたシラスウナギ(ウナギの稚魚)は河川を遡上して成長し、そこで5~10年程度過ごした後に、繁殖のために河川を下って海に下る。 ウナギは5~8月の新月の直前に、グアム島近く、西マリアナ海嶺南端付近の太平洋で産卵するとされる。卵からふ化した仔魚はほとんど自分では泳がずに海流に乗って西に移動、その後黒潮に海流を「乗り換えて」北上し、東アジア各国の沿岸までたどり着く。 これがウナギの長く、不思議なライフサイクルだ。 こうしてみるとウナギの生息のためには、河川の上流域や湖沼から下流域を経て公海に至る広い範囲の環境がきちんと保全されていなければならないことが理解できるだろう。河口域の干潟や浅海部分も、遡上前のシラスウナギや、海に泳ぎ出す直前の親ウナギ

  • 巨石のある風景5 アラスカ州のメンデンホール氷河

    巨石のある風景5 アラスカ州のメンデンホール氷河 アラスカ州ジュノーのメンデンホール氷河。手前の迷子石は山腹から落ちたものだ。氷河は1日に最大で50センチ移動する。迷子石はやがて山麓の湖に落ち、再び氷河が拡大する日まで湖底にとどまるのだろう。 写真=Fritz Hoffmann 2012年3月号「巨石のある風景」 より

    巨石のある風景5 アラスカ州のメンデンホール氷河
  • バーミリオン・クリフ 1 悠久の時が刻んだ「ザ・ウェーブ」

    バーミリオン・クリフ 1 悠久の時が刻んだ「ザ・ウェーブ」 渦まく波が岩と化したような、ザ・ウェーブの有名な地形。砂丘が固まってできた岩を鉄砲水がえぐり、鉄を多く含む地層が露出した。 写真=Richard Barnes 2012年2月号「バーミリオン・クリフ」 より

    バーミリオン・クリフ 1 悠久の時が刻んだ「ザ・ウェーブ」
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