それでも先生になりたい アルバイト教師の実態 収入は正規よりずっと低いのに、きつい仕事ばかり回ってくる。これでも同じ「先生」か 佐久間亜紀 慶應義塾大学教授 前回記事『先生が足りない! 教育現場の悲鳴』では、公立学校の教員不足が深刻化し、アルバイト教師に頼るしかない実情を報告した。なぜそこまで教員不足が進んだのか。その理由を探る前に、今回はアルバイト教師たちの実態を伝えたい。 6年生の担任になったアヤネさん 「わたし、次の学校では、6年の担任らしいです」 こんなラインが、春、アヤネさん(仮名)から送られてきた。 「あれ、アヤネさん、教員採用試験受かったんだっけ?」 「いえ、まだ臨採です!」 私は絶句した。 アヤネさんは、おととし大学を卒業したばかり。小学校教員をめざしていたが、教員採用試験に2回連続で不合格。でも、家庭の経済的事情でお金も必要なので、アルバイトで先生の仕事をしながら、教採の