菅義偉官房長官は20日の記者会見で、熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震に関し、来年4月の消費税率10%への引き上げを再延期する条件には、当たらないとの認識を示した。安倍晋三首相が条件に挙げた「東日本大震災級の事態」に該当するかを問われ「そうした状況ではないと判断している」と述べた。 再増税について「現時点では全く変わりない」として、予定通り実施する考えを強調した。同時に「政府は経済の好循環を力強く回していくことに全力で取り組んでいる」と語った。 熊本地震ではトヨタ自動車の生産停止など企業活動に影響が出ており、増税を先送りするとの見方が与党内でも出ている。首相は18日の衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、増税に関し「リーマン・ショックや大震災級の事態にならない限り、予定通り引き上げていく基本的な考えに変わりはない」と答弁した。