かつて、「管理放棄不動産」といえば、不動産収入で食えるようになって耕作されなくなった農地や、安い木材の輸入によって木材価格が下落し伐採がペイしなくなった山林のことを指していた。 しかし近年、管理放棄された住宅が、耳目を集めるようになってきている。 人口減少がしぶしぶながら認められはじめた頃、ある学会は今後の世帯数減少と住宅ストック数の供給トレンドから、2、30年のうちに、世帯数が住宅ストック数の1/2になる、すなわちただ数だけを考えるなら1世帯あたり2軒という、猛烈な「家余り」が生じると算出した。 もちろん住宅の供給は、その時々の景気動向や不動産価格に左右される。「家余り」=過剰供給自体が、住宅価格の下落というシグナルを発して、供給に抑制がかかることも予想される。ドラスティックな事態がそのまま生じるとするには留保がいる。 しかし、人口減少や高齢化は、場所によって差が大きい。「家余り」効果は
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