江崎グリコのオフィス向け菓子直販事業「オフィスグリコ」が軌道に乗りつつある。 一見すれば、「富山の置き薬」の菓子版であり、目新しさはない。 しかし舞台裏では、単価が安く購買頻度も低い菓子で利益を出す困難に挑んでいる。 数々の業界常識を覆し、ブルーオーシャン(未開拓市場)を切り開いた。 (敬称略) <日経情報ストラテジー 2007年6月号掲載> プロジェクトの概要 景気拡大が続くなかでも個人消費は回復していない。流通の現場では激しい価格競争が繰り広げられている。消費財メーカーは、流通の要求に応じて、新商品を出し続け、身を削りつつ価格を下げなければならない。一方で、菓子メーカー大手の江崎グリコが、10年越しで、既存の流通網に頼らない独自の販売経路構築に成功しつつある。オフィスで「置き菓子」を直販する「オフィスグリコ」である。1997年から検討を始め、2002年3月から本格展開。2007年3月末