地震後も営業を続ける児童書専門店「竹とんぼ」の店主小宮楠緒さん。「これまで何度も困難をくぐり抜けてきた」と、店存続への決意は固い 写真を見る 熊本地震で被災した熊本県西原村小森地区の児童書専門店「竹とんぼ」が、地震後も営業を続けている。児童書専門店の先駆けとして、熊本に店を構えて35年目。突然襲った地震で店への主要アクセス道路は寸断され、来店客はほとんどいない。それでも店主の小宮楠緒(なお)さん(72)は「子どもたちに一つでも良質の物語を届けたい」と前を向く。 西原村が震度7の激震に見舞われた4月16日の朝、自宅に併設した店内は、棚から落下した絵本と児童書で床が埋め尽くされた。ただ、幸い建物に大きな被害はなかった。「これなら再開できる」。小宮さんはすぐに片付けを始め、4月下旬には店先に「OPEN」の看板を掛けた。 小宮さんと夫の奎一(けいいち)さん(73)が、東京の出版社での勤務経験を