大阪市の「都構想住民投票」選挙結果を拙速に分析することの危険性を指摘した『曖昧な根拠で住民投票の結果を「分析」する愚』は、おかげさまで、大きな反響を頂戴した。 筆者があの小文で伝えたかったことは、断片的で曖昧な情報にもとづき、特定の属性を持つ誰かを「既得権益」や「利害関係者」などと決めつけ、それを叩く姿を見せることで自分の正当性を保持しようとする考え方の浅ましさだ。 いわゆる「職員厚遇問題」が発覚したのは関市長時代の2003年。これを起点とすると、かれこれ10年以上、大阪では「改革」が叫ばれ続けてきた。この間、「あいつが既得権益だ!」「あいつを倒せ!」の掛け声ばかりが大きくなるにつれ、斬新的な改革案よりも、過激かつ性急なプランだけが耳目を集めるようになってしまった。その最終到達点が、「都構想住民投票」だろう。そしてその結果、大阪は、賛成/反対/棄権(=無関心)の3つに分断されたのだ。 大阪