ウイグル人やタジク人などの少数民族が暮らす新疆ウイグル自治区では、近年、大開発とともに中国の同化政策が推進されている。実際に旅して見えた驚きの現実とは。 前編記事『コーランが隣の家から聞こえたら通報せよ……作家・橘玲がウイグルを1400㎞旅して見えた「中国化」とは』より続く。 検問後に警察から電話が 「完全監視社会の実験場」といわれている新疆には、たしかに町のいたるところに監視カメラが設置され、中心部は交差点ごとに警察署が置かれている(しかも夜になると赤や黄色に派手に点滅する)。 だがそれよりもインパクトが強いのは、どの町でも大通りの街灯に中国の五星紅旗や、正月飾りの赤い提灯、中国結び(赤い紐を結んだ縁起物)が延々と飾られていることだ。 トルファンからは車をチャーターしてシルクロードのオアシス都市(コルラ、クチャ、アクス)を訪れたが、その間に何ヵ所か検問所があった。 外国人は車から降りて個