NHKで安藤忠雄とポンピドーセンターなどを設計したレンゾ・ピアノの対談を見た。盛んにピアノが「詩的」という言葉を使っているのが印象的だった。建築はまず第一に安全でなければならないが、それだけでは足りない。美しくなければならないし、詩的でなければならない。美というのは表面的なものではなく、精神的なものである。謙虚なものである。 911テロのようなものに要塞のような建築で対抗するのではなく、開放的でなければならない。相手と対話を促す開放性が必要である。そこから理解が生まれるのであって、テロに屈しない要塞を作るのは建築家の仕事ではない。ニューヨークのグラウンドゼロには「何も建てない」という事でしか犠牲者の追悼はできないのではないか、ニューヨークという街にはそれだけの度量が無かった。セントラルパークのような「無駄」の必要性を建築家は社会に対して要請していかなければいけない。「都市の度量」という言葉