我々は何も、ダウ工業株30種平均株価の1万ドル台回復まで待つ必要などなかった。世界の株式市場が再びバブル化していることは、少し前から明らかだったのだから。 表面的には、今の状況は2003年や2004年に似ている。低い名目金利や物価の落ち着きも手伝って、住宅、信用、コモディティー(商品)、株式市場でバブルが膨らみ始めたあの頃だ。 ただ、当時と今とでは大きく異なる点が1つある。今回のバブルは早々に弾ける、という点だ。 足元の相場がバブルだと、どうして分かるのだろうか。筆者は、株式市場が割高かどうかを判定する指標として、「景気循環調整後株価収益率(CAPE)」と「Qレシオ」を愛用している。 CAPEは、エール大学で経済学とファイナンスを教えているロバート・シラー教授が考案した指標で、物価変動を調整した後のPER(株価収益率)の10年移動平均値である。株式時価総額を純資産で除して得るQレシ