報告書 『地熱発電と温泉利用との共生を目指して』 2010 年 5 月 日本地熱学会 地熱発電と温泉との共生を検討する委員会 序 文 我が国は米国,インドネシアに続く世界第 3 位の地熱資源保有大国であり,従来型の地熱資源開発量だけで も電力換算で 2,347 万kWと評価されている。しかしながら,それらを有効に利用するに当たって,幾つかの 阻害要因があり,2010 年 5 月現在,認可設備容量は約 53 万kWで,推定資源量の 2.3%が利用されているに すぎず,2000 年時点で世界 5 位の地熱発電設備容量であったものが,現在,世界 8 位に後退した。 地球温暖化問題,そしてエネルギー問題がますます深刻化する中で,各国とも地熱エネルギーを含む再生可 能エネルギー利用に積極的に乗り出している。しかしながら,我が国では,上述のように,豊富な資源量が推 定されているにもかかわらず,そ