世間には多数のガイドブックが出回っているが、私は国内旅行においてはJTBの「ひとり歩きシリーズ」を使っている。このガイドブックはその量、質ともに他のガイドブックよりもはるかに詳しく充実しており、ぜひお勧めしたいガイドブックである。 「ひとり歩きの~」と銘打っているが、別に一人旅の指南書というわけではなく、副題の「“観る旅”“歩く旅”のガイドブック」であり、この分野においては秀逸の出来であるといっていい。 日本国内を見て周る際、いわゆる名所旧跡や自然の作り出した美に接する際には、それに至る経緯、特に歴史や文化を学ぶことが非常に重要である。しかし世間一般のガイドブックは、そのスポットまでの地図や、綺麗な写真は充実していても、その説明はありきたりの短い文章が精々で、事前知識としては甚だ不十分と言わざるを得ない。その結果、せっかく訪れてもそれが何の目的があり、どのように生み出されたのかを理解できず