新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、対象地域の公共図書館はほとんどが休館している。館内での閲覧は三月からできないところが多かったが、宣言後は予約資料の貸し出し休止も一気に増えた。国民の知る自由を守る図書館は、生活に必要ではないのか。その役割を果たそうと、知恵を絞って貸し出しを試みる図書館もある。 (神谷円香) 三人の子を育てる東京都あきる野市の主婦東奏子(あずまかなこ)さん(40)は、市立図書館の休館を入り口の張り紙で知った。七日までは予約資料の受け取りができたが、八日から完全に休館となった。「読書の楽しみも奪われて、我慢ばかりの子どもがかわいそう」と残念がる。 無線LANが充実し、テレワークの人も多い千代田区立図書館も、八日から緊急事態宣言の解除まで閉館。新宿区立図書館は十日、翌十一日~五月十日の休館を決めた。職員は十日、利用者に電話やメールで、取り置き資料の受け取りを