2021年2月1日のミャンマー国軍によるクーデターを機に、日本の外交姿勢に対してミャンマー国民の間で厳しい批判が巻き起こった。欧米諸国が国軍やその関連企業に対して標的制裁(targeted sanctions)を発動したのに対し、日本は厳しい措置をとらず、むしろ「独自のパイプ」をいかして国軍幹部への働きかけを重視したからである。つまり、日本の姿勢はミャンマー国軍に宥和的過ぎるとの批判であった。 なかでも日本がミャンマーに供与しているODAについて、クーデター後も実施中の案件を継続し、完全には止めなかったことは厳しく批判された。さらに、ODAによる建設事業の一部が国軍関連企業に発注されていたことがわかると、ミャンマー国民の不信は増幅した。ミャンマー国民の批判や不信は、国軍関連企業とビジネスをしていた日本企業にも向けられた。 (少なくとも一部の)日本のODAや日本企業のビジネスは、ミャンマー国
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