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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/jchz (5)

  • 科学技術政策の100年/私の1960年代(山本義隆) - 見もの・読みもの日記

    昨年2014年10月に行われた講演を下敷きにしたもの。講演のあと、雑誌『週刊金曜日』から活字にしないかと誘われて、加筆して書となった。以上の経緯は「2015年8月 2015年安保闘争の渦中で」と付記された「はじめに」に書かれている。 著者は1941年生まれ。1960年に東京大学に入学し、安保闘争を経験した。1962年、物理学科に進学し、大学管理法(大管法)闘争に遭遇する。大学院に進み、素粒子論の研究をしながら、ベトナム反戦運動にかかわる。1968年1月、医学部の研修医制度をめぐって東大闘争が始まり、6月、安田講堂が占拠される。講堂の雑用係をしていた著者は、10月、「東大全共闘代表」に選出される。69年1月、機動隊によって安田講堂バリケードは解除され、9月に著者は逮捕される。70年10月に保釈され、71年3月に再逮捕。再保釈後は大学に戻らず、零細なソフトウェア会社を経て、予備校の仕事をしな

    科学技術政策の100年/私の1960年代(山本義隆) - 見もの・読みもの日記
    whalebone
    whalebone 2015/11/06
    『文部省科学研究費(通称、科研費)というのが、1938年(昭和13年)生産力と戦力の増強を図り、経済と軍事の要請に応えるために創設された』
  • 忘れ去られる死者/故郷はなぜ兵士を殺したか(一ノ瀬俊也) - 見もの・読みもの日記

    ○一ノ瀬俊也『故郷はなぜ兵士を殺したか』(角川選書) 角川書店 2010.8 いわゆる靖国問題では、国家による戦死者の顕彰が「国のための死」を強要した、と論じられている。しかし、兵士の苦難と死の顕彰を担ったのは、「国」ではなく、むしろ「郷土」だった。そこで、書は、日露戦争(1905年)から1995年の戦後50年までの間、「郷土」がいかに兵士たちを拘束し、やがて見捨てていったのかを明らかにする。 材料となるのは、戦前・戦後に各都道府県・市区町村が編纂した(したがって多少なりとも公的な)従軍者記念・顕彰誌と、前線兵士に送った慰問文・慰問誌である。著者は、これらの膨大な資料を時系列順に読み解いていく。 日露戦争直後には、愛国的感情に基づく戦死者顕彰が盛んに行われたが、大正に入り、平和な時代が続くと、戦死者の記憶は次第に風化していった。だが、第一次世界大戦後、再び日清・日露戦争の記憶が、教育的意

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  • 科学的精神と愛国/天災と国防(寺田寅彦) - 見もの・読みもの日記

    ○寺田寅彦『天災と国防』(講談社学術文庫) 講談社 2011.6 引き続き、明治人の著作を読む。「天災」と「国防」は、どちらも2014年現在の日にとって、大きな課題である。「天災」は、2011年の東日大震災と福島原発事故が解明も解決もしておらず、日に日に混迷を深めているように見えるし、「国防」については、解釈改憲による自衛隊のあり方の変更が(実現してほしくないが)焦眉の急として迫っている。 書は、寺田寅彦(1878-1935)の著作から、災害に関するものを集めて再構成している。冒頭の一編が「天災と国防」と題した昭和9年(1934)11月発表のエッセイ。昭和9年といえば、前年に日軍(関東軍)の熱河省侵攻、国際連盟からの脱退があり、「非常時」が合言葉になった年だ。その同じ年に、函館の大火(1934年3月)や室戸台風(同9月)などの激甚災害が日の国土を襲っていたことは、あまり認識になか

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  • 戦時下の真実/物語 岩波書店百年史2(佐藤卓己) - 見もの・読みもの日記

    ○佐藤卓己『物語 岩波書店百年史2:「教育」の時代』 岩波書店 2013.10 2013年に創業百年を迎えた岩波書店の社史全3冊。第1巻『「教養」の誕生』(紅野謙介)、第2巻『「教育」の時代』(佐藤卓己)、第3巻『「戦後」から離れて』(苅部直)という全貌を知って、わーどれから読んでも面白そう!と思ったが、いちばん美味そうな巻から手をつけることにした。第2巻は、1930-1960年代。戦前と戦後をまたぎ、創業者・岩波茂雄(1881-1946)の死をまたぐ30年間である。 こういう労作を読むと、自分が、まだまだこの時代(戦争とその前後)の実像を知らないこと、自分だけではなく、日社会がいろいろな記憶を忘却していることに気づかされる。まず、1929年の世界恐慌の影響で下降をたどっていた岩波書店の業績は、1931年の満州事変以後、上昇に転じ、1942年まで好況が続く。岩波書店の社員・編集者だった小

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  • 軍事情報から近代資料へ/外邦図(小林茂) - 見もの・読みもの日記

    ○小林茂『外邦図:帝国日のアジア地図』(中公新書) 中央公論新社 2011.7 「外邦図」と呼ばれる一群の地図が存在することは、知っていた。何かを探していて、たまたま、東北大学の「外邦図デジタルアーカイブ」にアクセスしたことがあったのかもしれない。外邦図とは、文字どおり解釈すれば、第二次世界大戦終結以前の「日の領土以外の地図」を指すことになるが、それでは、この一語に籠る複雑なニュアンスが抜け落ちてしまう。「外邦図とは何か」という基を理解するためには、せめて書を通読する必要があるようだ。 第一に、その淵源は意外と古い。日では、1880年代初め、外国人技術者の助力を得て、近代的な三角測量が始まる。その一方、外邦図の作成は、三角測量の開始以前から、精度の高い欧米の海図に依存しつつ、始まっていた。その典型が「朝鮮全図」(1875年)である。うーむ、私、この地図と思しきものを、某所で見たこ

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