次世代原子炉の小型モジュール炉(SMR)を開発する米新興企業のニュースケール・パワーが米アイダホ州で進めていた、SMRの初号機建設計画が中止となった。物価高騰が影響し、完成すれば米国初となるSMR開発にも響いた格好だ。SMRは日本企業も注目しており、IHIや中部電力などはニュースケールに出資して主要機器の受注や日本での展開を狙っていた。各社の出はなをくじかれたが、中長期の観点ではSMRに期待を寄せる姿勢に変わりはない。(名古屋・永原尚大、戸村智幸) ニュースケールは8日(現地時間)に中止を発表した。出力7万7000キロワットの原子炉を6基組み合わせ、2029年に運転開始する予定だった。SMRは工場で製造した原子炉を陸路や海路で運んで建設する構想のため、従来の原子力発電所と比べて建設コストや期間を圧縮できるとされる。 米国では「大型炉では金がかかる」(米国駐在の中部電関係者)という観点から、