富士山測候所の現在の正式名称は富士山特別地域気象観測所。 2004年から無人で気象観測が行われています。 いつもはしんと静まり返っているこの施設に人々の声が響くのは夏の2ヵ月間。 多くの研究者がこの施設を使ってさまざまな観測や研究を行っているのです。 それを可能にし、研究をサポートしているのが認定NPO法人の富士山測候所を活用する会です。 会の歴史と活動について語る理事の土器屋由紀子さんの言葉からは、熱い思いが伝わってきました。 −NPO富士山測候所を活用する会設立の経緯から教えてください。 ご存知のように富士山測候所はもともと気象観測のための施設でした。富士山頂で初めて気象観測が行われたのは19世紀後半、1年を通して富士山頂で気象観測が行われるようになったのは1932年からです。当時、世界一の性能を誇った富士山レーダーが完成した1964年以降は、日本の台風予報の精度は一気に上がって、たく