と言うと割と穏やかな表現ですが,もともとは「能登いらんけ~」という表現であって,いずれにしても,「能登出身の私をいりませんか?」という意味です。 能登は田畑が少なく(だから猫の額ほどの段々田畑が重なった千枚田が作られたりしました),生活が非常に貧しい地域でした。それで能登の人々は近隣の加賀(金沢が中心)や越中(富山や高岡が中心)などへ出向き,「能登いらんけ~」「能登いらんけ~」と町や村を回ったのです。つまり, 農作業でも家の手伝でも何でもしますから,どうか私を雇って使って下さいという意味になります。 貧しさ故に出稼ぎに行かなければならない悲しさと同時に,出稼ぎにまで出て自分たちの生活を守ろうとする能登の人々の逞しさを織り交ぜた言葉なのですが, 時によっては近隣の人たちが能登出身の人々を蔑む意味でも使われたりしました。 なお,演歌歌手の坂本冬美の「能登はいらんかいね」や最近になって販売されて