19日に85歳で死去した任天堂の前社長で、家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」などをヒットさせた山内溥氏の通夜が21日、京都市南区の任天堂本社で営まれた。多くの取引先企業の関係者や社員らが参列し、故人の功績をしのんだ。 通夜が始まる1時間以上前から、参列者が車や徒歩で訪れた。ビルの1階ロビーに設けられた祭壇で故人に別れを告げ、涙で目を真っ赤にして会場を後にする人もいた。 参列した中央自動車工業の福辻道夫名誉会長は「(事業に懸ける)情熱が素晴らしかった。近代的な感覚を持ち、(時代の)先を読む力があった」と惜しんだ。30年以上の付き合いがあったというインド人の男性は「とても悲しい気持ちです」と言葉少なだった。 山内氏は任天堂を世界のゲーム機メーカーに育て上げ、家庭用ゲーム機という新市場を開拓した。葬儀・告別式は22日午後1時から任天堂本社で執り行われる。