世界最大のインターネット検索エンジンを運営する米グーグルの日本法人などで働く従業員らが2日、東京都内で記者会見を開き、労働組合を結成したことを明らかにした。同社の日本法人で労組が結成されるのは初めて。 米グーグルの親会社アルファベットは、全社員の6%超に当たる約1万2000人を解雇する方針で、日本法人でも人員が削減される可能性があるという。一部の従業員には2日朝、日本法人の代表から、2週間以内に退職に応じれば追加の手当を受け取れる制度などを案内するメールが送られ…
日銀の白川方明前総裁が1日、国際通貨基金(IMF)の季刊誌に金融政策の新たな方向性に関する論文(英文)を寄稿した。3ページの簡潔な内容で、タイトルは「変化の時(Time for Change)」。日銀では4月、2期10年にわたり異次元緩和を続けた黒田東彦総裁が退任し、経済学者の植田和男氏が新総裁に就く予定。10年ぶりのトップ交代のタイミングに合わせ、前総裁は何を伝えようとしたのか。 「デフレに対する根拠なき恐怖」 「2008年、(当時英国女王だった)エリザベス2世が、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(英国の大学)の教授に、世界金融危機について尋ねたのは有名な話だ。『なぜ、誰もこの事態を予測できなかったのでしょうか?』。もしチャールズ3世が亡き母の足跡をたどっているなら、インフレ(物価上昇)について同じ質問をするに違いない」 論文は、なぜ主要国の中央銀行が記録的なインフレの発生を防げな
植田和男氏(71)の日銀総裁就任が実現すれば、戦後初の学識者出身の日銀トップになる。今後の金融政策に大きな影響を与える植田氏の経済に対するスタンスを過去の「植田語録」から読み解いてみた。 理論的支柱 まずは第三者の植田評を見てみよう。 「理論倒れにならない理論的支柱だった」 植田氏にとって日銀審議委員として最後の金融政策決定会合となった2005年4月。すべての議題が終了した後、植田氏に最大限の賛辞を贈ったのは当時の福井俊彦総裁だった。 植田氏は東大卒業後、米マサチューセッツ工科大で、世界の金融政策を理論面でリードしたスタンレー・フィッシャー氏に師事した。帰国後も金融政策を研究し1998年、東大教授から46歳の若さで日銀審議委員に就いた。審議委員は日銀の金融政策を決める決定会合で議決権を持つ要職だ。 当時の日銀は大きな変化にさらされていた。バブル崩壊後の金融危機などに伴い、日本経済は低迷。日
岸田文雄首相が模索しているウクライナの首都キーウ(キエフ)訪問案に、関係省庁が身構えている。ロシアの侵攻を受けているウクライナに政府要人を派遣していないのは主要7カ国(G7)では日本のみ。首相は5月に広島で開かれるG7首脳会議(サミット)までに訪問し、G7議長国としてウクライナと連帯する姿勢をアピールしたい考えだが、日本の首相が戦後、危険の伴う「戦地」に赴いた例はなく、安全確保などさまざまな課題があるためだ。 「(ウクライナの)ゼレンスキー大統領との間では緊密に意思疎通を行っている。現時点で何ら決まっていないが、諸般の事情、状況も踏まえ検討していく」。首相は1月25日の衆院本会議でウクライナ訪問について問われ、そう答えた。首相は1月6日、ゼレンスキー氏との電話協議で訪問を要請された直後にも「諸般の事情も踏まえ検討していきたい」と記者団に語っており、政府関係者は「訪問に向けた首相の意思は固い
現役の共産党員が公然と党首公選制の導入を求め、党内外に波紋を広げている。共産は機関紙「しんぶん赤旗」で反論し、党幹部の中には処分を求める声もある。だが、騒動が拡大すれば支持者離れが起きる可能性もあり、同党は対応に苦慮している。 在任期間20年以上 志位委員長は… 「赤旗の論説に述べられている通りだ」「あの論説に尽きている」「赤旗を信頼して任せた」「論説は的確な内容だ」 志位和夫委員長は23日、国会内で記者団から党員の要求に対する見解などを問われ、自身の言葉で説明することを避けた。「委員長の見解を聞きたい人もいる」と水を向けられても「論点はそこ(赤旗)に提示した通りだ」とし、終始「ゼロ回答」だった。 共産は分派や派閥を認めない「民主集中制」を組織の原則とし…
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務を巡る談合事件で、テスト大会の運営を担った組織委大会運営局の元次長が入札参加業者を公募する前、特定の企業に落札者が決定していると伝えた疑いがあることが関係者への取材で判明した。複数の落札企業などを独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で捜査している東京地検特捜部は、元次長が受注調整に欠かせない役割を果たしたとみており、企業側との共同正犯として立件する方針を固めた模様だ。 特捜部と公正取引委員会は、組織委が競争入札で発注した26件を落札した9社のうち広告大手「電通」「博報堂」など8社と、下請けに入った2社を2022年11月に同法違反容疑で家宅捜索した。このうち一部の企業の担当者は、特捜部の任意の事情聴取に談合を認めていることも新たに判明した。特捜部は複数の企業の担当者も立件する方向で詰めの捜査を進めている模様だ。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを「5類」に引き下げるのに伴い、政府がマスク着用を個人の判断に委ねる方針を示したことに対し、千葉県の熊谷俊人知事は27日、「『原則不要』のような形をしっかり打ち出さなければ、社会として(正常化への)移行は難しい」と注文をつけた。 熊谷知事は医療機関や高齢者施設など一部の重症…
衆参両院本会議で25~27日の3日間行われた代表質問では、野党が岸田文雄首相が防衛費を増額する方針を示したことに対する追及姿勢を前面に打ち出した。特に25、26両日の衆院本会議では立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の各党党首が「増税するなら国民の信を問うべきだ」などとそろって衆院解散・総選挙を要求。形の上では、国会冒頭から対決色を強めている。 「防衛費の増額の財源を得るために『増税は避けられない』との説明には、違和感を禁じ得ない」。26日の衆院本会議で登壇した維新の馬場伸幸代表が首相にただし、こう続けた。 「衆院を解散し、国民の信を問うべきではないか」 前日の本会議で立憲の泉健太代表が「防衛増税を行うのなら、解散総選挙で国民の信を問え」と迫り、議場の野党議員に向かって「力を合わせて防衛増税に反対しましょう」と訴えていた。馬場氏の発言は泉氏の呼びかけに歩調を合わせた形だ。国民民主の玉木雄
近年、米国では「Z世代」の若者を中心に、表現の自由に対する疑問が広がりつつあるという。 これは日本でも同様で、他人を攻撃し、あるいは差別・偏見を助長することを、表現の自由の名のもとに野放しにしてよいのかという声はしばしば聞かれる。 筆者自身の最近の経験でも、大阪駅に掲出された広告ポスターについて、ある元国会議員が「性の商品化」だと指摘した件について、(本紙ではない)記者から取材を受けた。そこでは、巨大ターミナル駅の構内という公共空間において、女性蔑視的ともとられるイラスト(もっとも、この件ではイラストが性的なものといえるかどうかについても異論があった)を大々的に掲示することが許されるのかが問題となった。 公共空間での表現の限界については二つの相反する考え方がありうる。公共空間だからこそ最大限の自由を、という考え(以下①とする)、公共空間だからこそ誰もが傷つかない表現を、という考え(以下②と
2021年の衆院選岐阜5区に立憲民主党公認で出馬して落選後、今春の岐阜県議選に自民推薦での立候補を表明した今井瑠々(るる)氏(26)の関連政治団体が2021年、気功や催眠療法などを取り入れたセミナーの参加費などを政治活動費として支出していたことが判明した。専門家は「政治資金の使途として不適切」と指摘する。 資金管理団体「今井るる後援会」が県選挙管理委員会に提出した21年分の政治資金収支報告書によると、同年12月22日に「セミナー代」3万3100円を政治活動費として支出した。セミナーは東京都中野区の施術会社が運営し、今井氏個人宛てに領収書を発行。同社は毎日新聞の取材にセミナーの詳細や今井氏の受講の有無を明らかにしなかったが、ウェブサイトでは施術について「整体、気功と他者メンタルトレーニングを同時に行…
IT化が進んだ現代では、サイバーなどの「グレーゾーン」攻撃がより差し迫った安全保障上の脅威となっている。激しい攻撃を受けている台湾の事例は、日本にとっても参考になる。この分野の研究で知られる台北大(台湾)の沈伯洋准教授に、台湾で今何が起きているかを聞いた。【聞き手・田中韻】 連載「『平和国家』はどこへ」の記事はこちらから見られます。 中国の認知戦、何十年も続いている 沈伯洋・台北大犯罪学研究所准教授 ――サイバー攻撃の現状は。 ◆台湾に対するサイバー攻撃は(中国と対立する民進党の蔡英文政権が発足した)2016年に急増し、その後も増加傾向にある。最も多い時は1カ月に1200万回超の中国由来のサイバー攻撃があった。22年8月のペロシ米下院議長(当時)による台湾訪問で急激に増え、同年10月には、台湾市民の健康保険記録やオンラインでの買い物記録などの個人情報がネット上でさらされていたことが確認され
ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使が12月29日、東京都内で毎日新聞のインタビューに応じた。日本赤軍の最高幹部だった重信房子氏(77)が毎日新聞の取材に語った内容に対し、テロを美化するもので、反ユダヤ主義的だと真っ向から反論した。 冷血なテロリストである重信氏のインタビューの言葉に当惑し、驚いた。日本赤軍は1972年に約100人が死傷したテルアビブ空港乱射事件を起こした。彼女は「ヒューマニズム」という言葉を使って、この事件をまるで良いことをしたかのように美化しようとしている。 この事件で犠牲になったアーロン・カツィール教授について「生物科学兵器の開発者」なので、殺害が正当化されるような主張をしている。しかし、これは完全なウソだ。カツィール教授が生物兵器や化学兵器に関与したことは一切ない。それどころか、物理化学者として、科学の発展に貢献した著名な科学者だった。彼女や彼女の仲間は、人類の生活
安倍晋三さんの死後、数多くの関連書籍が刊行された。関連本をまとめて並べている書店もある=東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店で2022年12月16日、上東麻子撮影 MEMORIAL永久保存版/ありがとう そしてサヨナラ 安倍晋三元首相が亡くなった今夏以降、実はあまり語られてこなかったことがある。悲劇的な死を遂げた元首相を題材とする「安倍さん本」が続々刊行中という一件だ。安倍さんの足跡をたどる本や雑誌が書店に次々と並び、それは今も続いている。まるで「安倍さん本バブル」といった風情なのである。 安倍さんのいわゆる追悼本は7月の銃撃事件以降、10点以上が出版された。「安倍晋三MEMORIAL 永久保存版豪華写真集」「ありがとう そしてサヨナラ 安倍晋三元総理」といった書名がズラリ。副題には「日本を取り戻し世界を導いた稀代(きだい)の名宰相に捧(ささ)ぐ」などの“あおり”の文句が並ぶ。
民間軍事会社「ワグネル」の事務所内部の様子=ロシア北西部サンクトペテルブルクで2022年11月4日、ロイター 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は22日の記者会見で、北朝鮮がロシアの民間軍事会社「ワグネル」に兵器を納入したと明らかにした。バイデン政権は、雇い兵を組織してロシアのウクライナ侵攻に参加するワグネルが、軍事作戦などで影響力を増しているとみて警戒感を高めている。北朝鮮国営の朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省の報道官は22日、「最も荒唐無稽(むけい)な世論づくりであり、何らかの評価や解釈を加えるだけの価値もない」と反発した。 カービー氏は「北朝鮮が11月に最初の兵器納入として、ワグネルに歩兵用ロケットとミサイルを引き渡したことを確認した」と述べた。戦況に変化を与えるような調達ではないとしながらも「北朝鮮がさらに多くの納入を計画している」と懸念を示した。ワグネルも「世
紅葉が美しい早稲田大の大隈庭園内にある小さな古民家「完之荘」で、早稲田OBの政界関係者らが会合を開いた。寺田稔総務相が辞め、「辞任ドミノ」と大騒ぎになった翌日の11月21日夜のことである。森喜朗元首相や青木幹雄元自民党参院議員会長、小渕優子衆院議員らに加えて、岸田文雄首相もいた。岸田さんは1982年法学部卒。稲門(とうもん)の同窓生にねぎらいの言葉をもらい、珍しく愚痴や弱音もこぼれたと伝えられる。 早稲田出身の政治家といえば、戦後5人の首相を輩出した弁論サークル、雄弁会のOBが目立つ。森さん、青木さんもそうだ。雄弁会にはかつて「派閥」があり、会の代表を選ぶ幹事長選挙では永田町さながらの多数派工作が繰り広げられた。「雄弁会100年史」には、立候補した青木さんを勝たせるために森さんが奔走したという生々しい記述もあった。ひょっとして、岸田さんも雄弁会で辣腕(らつわん)をふるっていたのだろうか。学
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く