「選挙結果は台湾の民意の表れであり、中華民国が1つの民主国家であり、2300万の台湾人が共に堅持するものだ」。蔡英文氏は圧勝した総統選後、有権者と国内外メディアの前でこう言明。新しい表現を用いて、台湾の「国家アイデンティティ」を宣言した。中台関係は現状維持を表明して中国に配慮する一方、「私たちの民主制度、国家アイデンティティに対するいかなる攻撃も、両岸関係の安定を破壊するものと認識する」と牽制も忘れない。 独身で、今年還暦とは思えない若々しさとバイタリティをもつ。4年前の総統選で敗北したとき「泣いてもいいがあきらめてはいけない」と支持者を励ました。努力をあきらめない不屈の闘志を、お嬢様然とした風貌の下に隠す。漢族の一支流・客家の名家の末娘。元は英米留学経験のある学者で、総統時代の李登輝に請われて官僚の世界に入った。民進党の陳水扁政権で官僚、閣僚も経験し、民進党の主席となった。 派閥争いで空