「恵まれない人たち」への募金活動。集まったお金を現地の人たちに渡す際に「モノがいいのか、現金がいいのか」。それについては、長きにわたり議論されてきた。 貧困の解決には「モノより現金を渡す方が効果的」との立場をとる学者や専門家は少なくなく、これまでにも数々の興味深い検証が行なわれてきた。 「貧乏人は現金をもらっても無駄遣いする」説を否定する調査結果もあった。 ただし、「これまでの調査の焦点は、いつも『現金支給を受けた人たちの生活や行動がどう変わるか』でした」。 カリフォルニア大学バークレー校の教授で、環境・資源経済学に詳しいエドワード・ミゲル氏は米メディア「NPR」にそう語る。 ミゲル氏は、無償で現金を支給する「ベーシック・インカム」の効果に関心が集まるようになったいまこそ「非営利団体や政府は、現金支給を受けた人たちのことだけではなく、もっと幅広い経済的な影響を理解することが重要だ」と述べる