暗闇に光る2つの瞳ーー。今年7月、北海道中部の養鶏場にある監視カメラが大きなヒグマの姿を捉えた。夜な夜な倉庫を訪れては、鶏の飼料を食い荒らしていたようだ。 【写真】罠にかかった実際のヒグマ 同エリアでは今年、ヒグマの出没があいついでいる。地元には「相当ヤバい」との危機感があるが、打つ手が限られており、頭を抱えている。 というのも、駆除にあたっていたハンターが公安委員会に不可解な形で銃を取り上げられ、だれも撃てなくなっているからだ。 ハンターは現在、銃を取り戻すべく、裁判で争っている。地元雑誌『北方ジャーナル』などで活躍するジャーナリスト小笠原淳さんにレポートしてもらった。 ●養鶏場を襲う“招かれざる客” 騒動が治まった時、その男性(62)はホッとすると同時に「腹が立った」という。 「今回、たまたま人に被害がなかったらよかったものの、銃で撃てないと言われた時は『行政はおれたちを見捨てるのか』