ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (47)

  • 年収の壁の本質は低所得者の過重な負担 - 経済を良くするって、どうすれば

    専業主婦がパートを増やすと、いきなり社会保険料がかかり、手取りが減って「損」をする問題がある。お役所は、将来、年金で還ってくるから、損ではないとするが、目先のカネが切実な庶民の実状を分かっていない。保険料の免除を人件費削減に使ってきた事業者も、このところの人手不足で何とかしてくれと言い出したことで、雇用保険を流用する弥縫策で対処するようである。 ……… 専業主婦から保険料を取らない最大の理由は、人の収入がないからだ。だからと言って、無年金にもできないので、3号被保険者にすることで、基礎年金を与えている。専業主婦でなくても、収入がないなら、手続を踏めば、税方式によって半額は与えられるので、半額分が問題だとは言える。しかし、そもそも半額では、貧窮の老後になる。それで良いのかということがむしろ重要だ。 結局、十分に負担できない低所得者の年金の負担と給付をどうするかの問題なのである。それは、非正

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    wkatu 2023/09/15
  • 衰退の歴史は止められない - 経済を良くするって、どうすれば

    4月の人口動態が公表になり、1-4月期の出生は前年同期比-5.0%となった。合計特殊出生率なら1.20人のレベルで、少子化の加速が止まらない。しかも、先行する婚姻は-10.6%もの低下である。将来人口推計の出生中位の想定を大きく下回りそうで、事態は深刻だ。他方、新たな少子化対策は、結婚できた者への子育て支援ばかりで、結婚がままならない者への手当てを欠いた的外れなものになった。衰退する国とは、こういうものだろうと思う。 安倍政権は、2019年に10%消費増税の半分を「人づくり革命」に充てるということで、1.7兆円を幼児教育の無償化などに使い、子育て支援を行ったのであるが、乳幼児を外したこともあり、出生率を向上させるどころか、2019,20年と逆に大きく低下した。子育て支援は、既に生まれている子供を対象にするため、効果が薄くなりがちで、その経験に学ぶべきだったが、結局、同じ子育て支援を繰り返す

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    wkatu 2023/07/08
  • 7-9月期GDP2次・無力な成長戦略の幻想から飛び立つ日 - 経済を良くするって、どうすれば

    7-9月期GDPの2次速報は、1次から大きな動きはなく、消費が下方修正されて、前期比+0.1とほぼ横ばいになり、代わりに在庫の寄与度が+0.1となった。法人企業統計の結果から上方修正が期待されていた設備投資は変わらずであった。ただし、設備投資は、2021年度の年次推計値の改訂によって、水準が上昇している。これで、コロナ後のキャッチアップで見込める分が消えることとなった。 ……… かねて、コラムでは、設備投資は需要を見てなされると指摘してきた。具体的には、輸出と住宅投資の動きで、説明ができてしまう。そうすると、今回の補正予算でも7.5兆円という多額が措置された成長戦略とは何なのかとなる。そのままGDPに計上されるだけでも、設備投資が飛び跳ねてしまいそうだが、動きは感じられない。すなわち、設備投資の促進で成長させようという戦略そのものが無力なのだ。これなら、低所得者に再分配して、消費を増やす

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    wkatu 2022/12/25
  • 補正予算は原油高対策だけで良いのか - 経済を良くするって、どうすれば

    MMT学派のS・ケルトンが言うように「(懸念すべきは、日が)過去の過ちを繰り返し、景気回復が格化する前に、その勢いを挫くことだ。そうした事態は過去に何度も起きている。」というのは、まったく正しい。ただ、緊縮財政への戦いを始める前には、終わらせ方まで考えておかなければならない。自国通貨で借金できる国は財政破綻しないという理論があるだけでは、とても政策にならない。 ……… 米国は、リーマンショック後の早すぎる財政撤退で景気を失速させたオバマ政権の蹉跌を教訓に、コロナショックの立ち直りのタイミングで積極財政を打ち、真っ先にコロナ前水準の回復を達成して、賃金増を伴うインフレまで懸念されるまでになった。金融緩和は平常化へと向い、資源高の中でドル高も享受できている。日円安で苦しむのは、黒田日銀の拘りもあるにせよ、財政を含めた政策協調の観点のなさにもある。 日では、「中長期の試算」で明らかなよ

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    wkatu 2022/05/03
  • 新しい資本主義の作り方 - 経済を良くするって、どうすれば

    新自由主義の特徴が小さな政府、金融緩和、規制緩和だとすると、それを否定する「新しい資主義」は、再分配、需要管理、持続性の回復となろうか。それにしては、「新しい資主義実現会議」のメンバーに、社会保障の専門家はおらず、新しい産業を創造しようという経済界の方々ばかりである。「まずは成長」ということかもしれないが、分配が上手く行われないがゆえに、成長が滞るというのが現実である。 ……… 「新しい資主義」に必要なのは、勤労者皆保険と定額還付である。パートや零細の従業員は加入できずに国保国年だし、保険料と消費税は所得控除がなく、低所得者にきついため、同じ機能を果たす定額還付が不可欠だ。欧米では既に実現していて、日だけが遅れている。欧米なら、あとは資課税を強化すれば、「新しい資主義」ができ上がるが、日が求められるのは、得意だったはずのキャッチアップである。 金融緩和は資産価格の高騰を招いて

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    wkatu 2021/10/18
  • 緊縮速報・次に待つのは年金の緊縮 - 経済を良くするって、どうすれば

    日銀の金融緩和は、デフレ脱却には失敗したが、金融資産を膨張させることには成功した。その恩恵は、厚生年金にも及んでいる。2020年度の厚生年金の決算では、積立金の時価は、34.8兆円もの増となった。日銀を味方にして資産運用ができたら、最強だよ。政府は、コロナ対策ために、国債を追加し、支出を46兆円伸ばし、借金を多くした一方、資産も大幅に増やしていたのだから、財政破綻の片鱗さえ見られないのも当然かもしれない。 ……… 2020年度の厚生年金の決算から、フローの動きを見ると、保険料収入等が42.6兆円と前年度比-0.51兆円となった。被保険者数は微増、平均報酬月額は横バイであることから、コロナにより延納を認めたためと考えられる。他方、保険給付費等は42.9兆円と+0.14兆円の増にとどまり、+0.2%増の年金額改定と大差ないものだった。この結果、収支は、10年ぶりの拡張財政となり、-0.34兆円

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    wkatu 2021/09/01
    『カネは貯めるより、活かす方が難しい』
  • 金融政策はなぜ効かないのか - 経済を良くするって、どうすれば

    2021年度は、1500億円しか社会保障費を増やしていないのに、税収が前年度決算から3.8兆円も伸びる。一時的なコロナ対策から抜ければ、それだけ財政再建が進捗することになる。2022年度も、社会保障費の自然増は6600億円のところ、税の増収は3.2兆円にもなるはずだ。こうしたデフレを促進する緊縮財政を併用していては、弱い力しかない金融政策が効奏するはずもない。21世紀の経済政策は、全体を見なければならない。 ……… 経済学の2柱は、需要と供給を調節する価格メカニズムと、貯蓄と投資を調節する金利メカニズムなのだが、遺憾なく力量を発揮する前者と違い、後者は存在を疑うほど脆弱だ。なぜなら、設備投資は、需要リスクという別の力に支配されているからである。常識的にも、企業は需要を見ながら投資を決めているし、消費者も金利を見ながら消費と貯蓄の割合を決めたりしない。柱なのに、現実味の乏しい「理屈」なのだ

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    wkatu 2021/07/13
  • 緊縮速報・資金過不足と税収増 - 経済を良くするって、どうすれば

    1-3月期の資金循環が公表されて、2020年度の資金過不足も判明し、中央政府の前年度差は-38.5兆円となり、家計は+30.1兆円、非金融民間法人は+4.2兆円だった。新型コロナ対策で、政府は大幅な赤字になったが、「誰かの借金は、誰かの貯蓄」なので、それだけ、家計や企業は助かっている。財政赤字を減らしたい人は多いけれど、家計の貯蓄を取り上げるのと等しいとわきまえつつ、今後を展望したい。 ……… 日経によれば、2020年度の国の税収は、コロナ前の2019年度を超えるらしい。名目GDPが-3.9%、家計消費(除く帰属家賃)が-7.7%ものマイナス成長だったにもかかわらず、税収が増えるとは異常だ。一番の要因は、コロナ禍で消費増税が行われたことで、国だけで1.9兆円程の増収となり、所得税は前年度比でほぼ横バイと見込まれる。そして、資金循環の公的年金も、2020年度は1兆円の「黒字」になっている。

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    wkatu 2021/06/27
  • 実際の経済を知るとは、どういうことか - 経済を良くするって、どうすれば

    経済を知りたい、学びたい一番の理由は、景気を良くできたら、成長を高められたらとの想いではないか。しかし、机上の経済学は、技術を向上させるべきだ、人材を開発すべきだと、当然のことをのたまうくらいで、むしろ、政策によって伸ばすことは難しいとしたりする。あたかも、結核の患者に、特効薬を望んではいけないと説き、栄養と休養が大事と言うかのごときである。正しくはあっても、救われる気がしない。 ……… 実際には、政策の良し悪しはある。例えば、アベノミクスでは、現実の成長率を毎年1%程上乗せすることは、十分に現実的な選択肢であった。理由は明確で、毎年1%程の緊縮財政を敷き、需要を吸い上げ続けてきたからだ。財政が需要を出せば、その分、経済は大きくなるという単純な理屈である。実際は、そこまで安易な足し算ではないにせよ、イノベーションで成長率を1%上乗せするという主張より、遥かに確実性がある。 問題は、そうした

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    wkatu 2020/12/01
  • 1-3月期GDP1次・景気はもっと悪くなる - 経済を良くするって、どうすれば

    1-3月期GDPの1次速報は、若干のマイナス成長になるとの大方の予想を覆し、実質年率2.1%の高成長であった。むろん、その高成長に内実はなく、弱い内需を映す輸入減によるもので、そうした分析が広く知られたことは幸いだった。ただ、エコノミストの読み違えは、これが理由ではない。設備投資が不可解なほど粘りを見せたためである。すなわち、設備投資には、もっと悪くなる可能性が潜んでおり、今後の景気の行方には、相当な警戒が要るということだ。 ……… 今期のGDPの特徴は、消費、設備投資、輸出という重要な3つの需要項目が揃ってマイナスに転じたことである。前期比-0.2となった家計消費(除く帰属家賃)は、けっこう深刻な状況にあり、237兆円台は、消費増税前どころか、アベノミクス開始時の2013年1-3月期をも下回る。6年の時を経て、国民生活をまったく豊かにできていない。当然、10月の消費増税までに、2014年

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    wkatu 2019/06/09
    『景気が上向いて所得が増すと、自動的に強力な緊縮のブレーキが作動する』
  • 消費性向の低下とエンゲル係数の上昇 - 経済を良くするって、どうすれば

    エコノミストの中には、消費性向が低下して貯蓄が増すと、条件反射のように「将来不安が増大した」と唱える人が居て、「不安を除くには財政再建」と大仰な処方を出したりする。実際の消費性向は、そうした心理で動くものではなく、収入や物価によってマクロ的に決まる。そうでなければ、2014年の消費増税を境に、消費性向が急低下していることの説明がつかない。もっとも、消費増税をしたために、ますます財政再建が不安になったと言うなら別であるが。 ……… 家計調査(二人以上の勤労者世帯)には、実収入に占める「非料消費」の割合が半世紀もの長きに渡り一定を保ってきたという「法則」の存在が知られている。正確には、極めて安定的な中、長期的な景気変動を示す緩やかな下降と上昇を繰り返している。そして、残る「料消費」は、1997年までは、年を追うごとに低下していた。つまり、経済成長で所得が増えるに従い、エンゲル係数は小さくな

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    wkatu 2019/04/22
  • 緊縮速報・財政再建トラトラトラ - 経済を良くするって、どうすれば

    6/22に公表された1-3月期の日銀・資金循環によると、財政収支の大幅な好転が見られ、基礎的財政収支の赤字ゼロ目標に、2020年度第4四半期にも到達し得るという劇的な結果であった。「ワレ奇襲ニ成功セリ、トラトラトラ」と打電したくなるほどの緊縮である。こんなことをやられては、好調だったGDPが1-3月期に失速し、マイナス成長となったことも、たまたまではないと思えてくる。 ……… 日経の経済論壇では、財政再建先送りに警鐘が鳴らされているようだが、筆者は、まじめに日の財政を心配しているので、常に最新状況をチェックしている。そこで、資金循環の資金過不足を4期移動平均で見ると、GDP比-2.8%と9年ぶりの水準に達し、改善のトレンドが年間0.6%弱のペースへ復帰していることが分かる。これを延長すると、2020年第4四半期には-1.0%まで届く。利払費を算入しない基礎収支ならゼロになるレベルだ。 世

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    wkatu 2018/07/04
  • 消費増税をめぐる総括的検証の必要性 - 経済を良くするって、どうすれば

    アベノミクスの最大の功績は、2015年秋の消費増税を延期したことであり、これに次ぐのが2017年春の消費増税の再延期である。延期していなければ、折からの外需の後退と相まって、悲惨なことになっていたし、再延期がなければ、今も重い後遺症に喘いでいたはずだ。2014年春の消費増税の破壊力を思えば、容易に想像がつく。そして、足下の景気の好調さが「成長戦略」の成功によるものとは、誰も思わないだろう。単に、余計なことをせず、外需に恵まれたから、今がある。 ……… 4/18のシノドスに上智大の中里透先生が『消費増税をめぐる「総括的検証」-消費の停滞についてどのように理解するか』を書いておられ、いかに増税が消費に大きな打撃を与え、他の要因は考えにくいことを丹念に記している。中里先生は、2011/5/30の「社会保障・税一体改革の論点に関する研究報告書」に寄せたコメントでも分かるように、別段、「反消費税派」

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    wkatu 2018/05/07
  • 無限ループのデフレ日本 - 経済を良くするって、どうすれば

    先週金曜日に発動された日銀の「三次元緩和」だったが、円・株ともに元の水準へと戻り、「三日限緩和」に終わった。この水準で固定化する働きを見せるかは、これから、マーケットが教えてくれる。他方、10-12月期GDPのマイナス成長が確実視される中で、企業収益にも陰りが出てきた。これは税収にも響いて、緊縮欲を刺激しよう。金融緩和による回復、緊縮財政での失速、そして、更なる金融緩和の催促という、無限ループに終わりは見えない。 ……… 昨日の日経は、「上場企業が増益を確保 今期は内需が下支え」と伝えていて、前向きな感じを出しているが、3か月前は「上場企業16年3月期は8%増益」(11/7)だったから、今回の「3%弱の増益」とは開きがある。原因は、「10~12月の3か月でみると経常利益は前年同期比で5%減」となったためである。内需企業が牽引しているとは言え、マイナス成長になっていなければ、恩恵はもっと大き

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    wkatu 2016/02/08
    「道徳的」な緊縮欲以上に、「奴らは俺達の富を不当に盗んでいく」という強者のルサンチマンのほうが厄介のように感じる
  • アベノミクス・消費底落ちで3期連続ゼロ成長へ - 経済を良くするって、どうすれば

    少し早いかもしれないが、これだけ家計調査の結果が悪いと、10-12月期のゼロ成長も覚悟せざるを得ないだろう。原因は、8兆円を超える今年度の緊縮財政である。GDP比で1.6%ものデフレ圧力をかけているのだから、景気失速も当然だ。日経済は、政策どおりの結果を出している。もっとも、こうした現実を見ても、統計が間違っているとしか言えない立場の人もいるようだが。 ……… 10月の家計調査は、二人世帯の消費支出の季節調整済指数が93.9で前月比-0.7となり、7-9月期平均より-0.7も低かった。「除く住居等」は、94.4で前月比-0.4、前期比-1.1であり、ここまで落ち込むと、11、12月に1.0ずつ伸びたとしても、前期比がプラスにならない。10月の水準は、消費増税直後の2014年5月の94.1と大差なく、底へ落ちたレベルだ。しかも、10月は物価の低下に助けられており、名目の前月比は-0.5に広

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    wkatu 2015/11/29
  • アベノミクス・2年続きでのゼロ成長も - 経済を良くするって、どうすれば

    4-6月期GDPの予測は、民間試算の平均で年率-1.9%になった。コラムが「アベノミクス・再失速」としたのは5/3のことだったが、ようやく世間も追いついてきた。1-3月期GDPは、物価低下と在庫要因で高かったが、その時には消費に異変が生じていた。大機でカトーさんが言うように、消費増税の後遺症は重い。もし、第一生命の新家さんの予想どおり、4-6月期GDPが前期比-0.7になると、2015年の成長率はゼロ%台前半が射程になる。アベノミクスは、2014年の-0.1%成長の惨敗に続き、またも成長を失う事態へ追い込まれる。 ……… 6月の家計調査が明らかになり、4-6月期の2人世帯の実質消費支出は、「除く住居等」の季節調整済指数で、前期比-1.6という低落ぶりだった。これだと、消費総合指数の6月は4月並みのレべルにとどまり、前期比は-0.6くらいだろう。そのままの数字でGDPの消費が減るとなると大

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    wkatu 2015/08/06
  • 見た目と異なる惨状・1-3月期GDP - 経済を良くするって、どうすれば

    GDP速報は、ただの項目別の数字の羅列である。だから、「消費が伸びた」、「設備投資もプラスに」と説明するにとどめるのが、正確を期すというものだろう。しかし、前期比0.6%の成長のうち、在庫の押し上げが0.5%もあるという異様さを前にして、ストーリー仕立てで理解を試みるのも許されるように思う。 1-3月期に何が起こったのかと言えば、まず、消費が、増税ショックからの緩慢なリバウンドを終えて、失速してしまい、積み上がった在庫を整理しているところだったから、これを大きく滞らせてしまった。売上げ減を受け、折からの原油安もあり、当然、値下げで対抗だ。こうなると、設備投資は抑制せざるを得ない。今、我々が目にしているものは、世評の「緩い回復の継続」ではなく、「異変発生」ではないのか。 ……… 1-3月期GDPにおける数字、すなわち、消費の名目値のマイナス、在庫の大幅な押し上げ、消費デフレーターの大幅な低下

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    wkatu 2015/05/25
  • 経済の不合理性と社会保障の効率性 - 経済を良くするって、どうすれば

    盛山和夫先生の新著『社会保障が経済を強くする』は、なかなか意欲的なタイトルである。社会保障は単なる消費でなく、自由な経済活動に潜む不合理を正し、効率をもたらすという見方ならば、筆者も賛成だ。ただ、想いは正しくとも、今の世の中には、なかなか受け入れられないのではないかとも思う。 ……… 先の立論の証明には、経済が不合理であることと、社会保障が効率をもたらすことの二つが必要になる。直感的には明白かもしれないが、いずれも難題である。常識人は、今の日では資金がダブつき、労働力がムダになっていると思っているから、素直に受け入れるだろう。他方、経済学の教科書そのままに、利益の追求という、経済に内蔵されるメカニズムが解決すると信じる者に対しては、おいそれと通じない。 こうした信者は、利益の追求を邪魔している規制の緩和や、利益を厚くする法人減税や金融緩和を、とことん進めれば良いと主張するだけである。社会

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    wkatu 2015/03/22
  • 経済政策の対象における非対称性 - 経済を良くするって、どうすれば

    日経ビジネスO.L.(2/6)に掲載された「T・ピケティ先生×吉川洋先生の対談」は、なかなかの傑作だったね。日人がどうしてこんなに消費増税にこだわるのか不思議でしょうがないのだろうなあ。確かに、1997年にハシモト・デフレをやらかすまでは、所得税も法人税も高かったから、消費税となるのは分からなくもなかったが、その後の減税によって選び得るようになっても、路線を変えることができないでいる。 しかも、日は、消費不足でデフレにあり、企業の資金は膨張しているのだから、課税を強化するなら、消費ではなく資というのは自然な発想だ。それなのに、この逆を何としてもやりたがるのだから、訳が分からないに違いない。デフレから抜け出たいなら、保育や介護といった公的部門の賃金を上げたらどうか、人口減という最大の問題への対応も大事と言われても、日人は、できない理由をあれこれ並べるだけである。 ……… 財政赤字を解

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    wkatu 2015/02/08
  • アベノミクス大成功の地 - 経済を良くするって、どうすれば

    昔と違い、日銀短観で地域別に集計することはやめてしまったが、地域の短観がなくなったわけではない。各支店で独自に短観がなされている。その中に、アベノミクスが大成功を収めているという、なんとも意外な結果を示した地域がある。標設計が違うので、短観間で安易に比較はできないが、地域による景況の違いの概略は、これで把握できる。 9月短観における全国の結果は、全規模全産業の業況判断が4となり、先行きも4で変わらずだった。これに対して、那覇支店の短観は21という圧倒的な高さにある。しかも、全国が足踏みなのに、先行きは+3の24へ伸びるというのだ。沖縄は、どうして、これほど景況感が強いのか。その秘密を、那覇支店の「県内金融経済概況」の数字を手がかりに探ってみよう。 ……… 沖縄の基幹産業は、言わずと知れた観光業である。アベノミクスの下での大幅な円安は、入域観光客数の急増をもたらした。円安は、外国人観光客を

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    wkatu 2014/11/17
    『今回は、消費増税による内需の疲弊を軽視し、「円安戦法」の攻撃力に慢心したあげくの惨状である。焦りによるリアリズムの喪失が敗因と総括するには、余りに虚しい終幕』