大手牛丼チェーン「吉野家」。1200店以上を展開する吉野家では、牛丼に欠かせない玉ねぎが毎日大量に消費されている。この玉ねぎを処理する過程で排出される、芯などの端材は年間約250トンに上る。消費者に提供できない端材はこれまで、数百万円をかけて廃棄されていた。 吉野家にとっては「コスト」だった玉ねぎの残渣(ざんさ)。今、この「数百万円のごみ」を「年間数千万円の価値」に変えようとしているベンチャーがある。一体どういう仕組みなのか。 吉野家が目を付けた技術力ASTRA FOOD PLANの加納千裕社長。父娘2代にわたり、食品ロス問題を解決するビジネスに取り組んでいる。撮影:土屋咲花野菜の芯や皮などの食品残渣は、環境省の推計によると年間で約2000万トン排出されている。 残渣は家畜の飼料やたい肥などに再利用されることが多いが、食材によっては動物が中毒症状を起こす恐れもある。吉野家では、玉ねぎはコス
