きくりも確実にこの悪循環に陥っている。彼女は酒を飲むことで憂さを忘れ「幸せスパイラル」の状態に入るのだが、その「幸せ」は何をどう見ても破綻と破滅へと急降下していく呪われた螺旋である。 また、酒を飲んでいない彼女は典型的な「陰キャ」でまともに話すこともできないのだが、その姿は本編の主人公「ぼっちゃん」が陰キャのまま、なけなしの勇気を出して活躍していく姿の陰画ともいえそうだ。 つまりはこの外伝は本編の少しリアルでシャレにならないバージョンといえ、本編を読んでいたときはげらげら笑っていたぼくもほんとうに笑って済ませて良いのか疑問に感じるわけである。 しかし、ネットの感想を見る限り、どうやらほとんどの読者はそのような読み方をしていないようで、ぼくはここから「ひとはフィクションに対しどのように向き合うべきか」というテーマを考えさせられる。 もっとも、その答えは最初から出ている。「どのように向き合って
