本と人とを橋渡しする人材の育成を目指した「本の学校」を1995年、鳥取県米子市に開いた。同市の米子今井書店(現今井書店グループ)経営者として、進む活字離れに危機感を持ったのがきっかけだ。 書店と図書室、研修室を備える。読み聞かせ活動などに取り組む人に交流の場を提供し、文学講座も開いてきた。 業界の若手を集め、書店の役割を考える会合も開催している。95年に開いたシンポジウムに「朝の10分間読書」を提唱した千葉県の高校教師を招いたのを機に、参加者らで普及のための団体が発足。全国の小中高校に広がった。 書店は5代目で、生活の中に常に活字があった。自室も本で埋まり「家族はあきれてます」と苦笑。「紺屋の白袴で、読みたい本を開く時間がない」のが目下の悩みだ。 受賞を喜ぶ一方、「ネット中心の社会で出版不況の出口は見えず、闇夜に船をこぎ出す思い」とも。理想はドイツの書店だ。書店員の多くが専門の職業教育を受