公平公正であるべき行政がねじ曲げられ、安倍晋三首相に近い人に特別な便宜が図られたのではないか-。第二次安倍政権発足後の六年半を振り返り、見過ごせない特徴は、「忖度(そんたく)」という言葉に象徴される政と官のゆがんだ関係だ。 「私や妻が認可あるいは国有地払い下げに、事務所も含めて一切かかわっていないことは明確にさせていただきたい」。二〇一七年二月の衆院予算委員会で首相は、学校法人「森友学園」に国有地が大幅に値引きされて売却された問題について、自身や妻昭恵氏の関与を強く否定した。
![東京新聞:<ファクトチェック 安倍政治の6年半>(3)森友・加計問題 ゆがむ「政」と「官」 忖度の疑念 消えないまま:政治(TOKYO Web)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1baf39b9ca04364cfbf5b3e11ce512ffea7cf55f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.tokyo-np.co.jp%2Farticle%2Fpolitics%2Flist%2F201906%2Fimages%2FPK2019062302100075_size0.jpg)
安倍政権が六年半、経済政策で最も重視してきたのは、「成果」の見せ方だ。さまざまな解釈や表現を駆使し、いかに経済成長を実現したかを国民に印象付けることに腐心してきた。 「しっかりと経済を成長させている」。安倍晋三首相は十九日の党首討論で、立憲民主党の枝野幸男代表に向けこう強調した。民主党政権時代の国内総生産(GDP)の実質成長率が安倍政権を上回っていたと訴えた枝野氏に対し、「一点だけ申し上げる」と強く反論した。 枝野氏は物価変動の影響を除いた実質成長率を「経済の総合成績」と主張した一方、安倍首相は変動分を含んだ名目成長率を前提にした。どの指標を扱うか。解釈一つで、アベノミクスの代表的な「成果」とされるGDPでさえも評価が大きく変わる。両者の主張がかみ合わなかったのは、「物差し」の違いが大きい。 政権が「名目GDP六百兆円」を目標に掲げたのは二〇一五年。首相は同年十一月、「二〇年ごろに十分達成
7月21日投開票が有力視される参院選まで1カ月。安倍晋三首相の政治姿勢も、有権者にとって重要な判断材料だ。第2次安倍政権以降、6年半にわたる首相の発言をファクトチェック(事実確認)する。 (清水俊介)
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