2017年12月になって、藤岡『ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ』の書評っぽい記事を書いて、それがネットに出た。 「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing) 作者: 藤岡淳一出版社/メーカー: インプレスR&D発売日: 2017/11/24メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る これはとってもよい本で、それとその書評まがいを書いているときにちょうど、メイカー系中国関連有識者ライターたちが、「最近の深圳記事って安易だよねー」という話をしていたこともあって、この本は安易な表層なでただけじゃないぞー、というのを強調する感じになった。で、それを受けて編集部も、こういうタイトルにしてくれた。 president.jp で、ぼくとしては「そうだそうだ」と(自分の記事だから)思う一方で、ちょっとこ
by Quinn Dombrowski がん治療の新たな方法の1つとして、ライプニッツ固体・材料研究所のHaifeng Xu氏らが、精子をがん腫瘍まで誘導して薬を運ぶという方法の研究を進めています。この方法であれば、薬の服用量を制限されることなく治療が行えると考えられています。 Sperm-Hybrid Micromotor for Targeted Drug Delivery - ACS Nano (ACS Publications) http://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsnano.7b06398 Hijacked sperm carry chemo drugs to cervical cancer cells | New Scientist https://www.newscientist.com/article/2156525-hijacked-spe
スマートホンでラクラク日本語入力したくないですか? 2カ月半ほど前、私は、「スマホの最も生産的な入力方法はフリックではなく《ひと筆書き》だ」という記事を書いた。“ひと筆書き”入力というのは、キーボードの上を通常1つずつキーをタップしていくところを、 指を画面から離さないまま“なぞる”ことで入力するやり方。 「Swype Keyboard」というアプリを使いはじめていて、その気持ちよさを伝えたかったからだ(日本語対応はAndroid版のみ)。ところが、それを読んだ人からエンドウさんが紹介したSwypeはほんの一例ですよと指摘されてしまった。 というのだ。英語では、「スワイプ」(Swipe)とか「ジェスチャー」(gesture)とか、グーグルの場合は「グライド」(glide)などと呼んでいる(私が使っている入力方式は「Swype Keyboard」=スペル注意)。 たとえば、「遠藤諭」と入力す
人工知能(AI)の躍進が、大きなニュースになっています。 今年5月には将棋の佐藤天彦名人が、将棋AIのPONANZA(ポナンザ)に敗れたことが話題になりました。 実はいま、医療の分野でも、AIと医師の成績を比べる研究が次々と行われています。 今月12日にJAMA(アメリカ医師会雑誌)に掲載された論文では、乳がんの転移を調べるための画像判定にAI(注1)が挑み、11人の医師と成績を比べたところ、大幅に上回ったことが示されました。 7つのシステムが医師の成績を上回る この論文は、2016年に行われたコンテスト「CAMELYON16」の結果をまとめたものです。コンテストには世界中の研究者が参加し、画像から乳がんの転移を調べるシステムを開発、成績を競いました。 文献1より引用 上の画像の左は、実際の患者さんの体の一部(リンパ節)を拡大した顕微鏡画像です。黄色い線で囲われているのが、がんの転移がある
先月末にイタリア銀行が資金循環勘定をテーマとしたコンファレンスを開催し、そのオープニング講演で同行のルイジ・シニョリーニ(Luigi Federico Signorini)副総裁が資金循環勘定の歴史を振り返っている(H/T Mostly Economics)。 Real national accounts had begun to be compiled following the Keynesian revolution, as the invention of macroeconomics and the definition of the attending concepts (income, consumption, investment, savings) prompted the development of statistical methods to produce a r
High Security Printing Asiaなる会議*1が今月初めにメルボルンで開催され、オーストラリア準備銀行のAssistant GovernorのLindsay Boultonがオープニングスピーチを行った(H/T Mostly Economics)。 以下はその概要。 高度な証券印刷のアジア市場は、経済や所得やインフラの成長に支えられ、生産額にして過去10年間に年間およそ6.5%伸びた。しかし、伸び率は落ちてきている(10年前は約11%→5年前は約5.5%)。部門別の要因はあるものの、デジタル技術の発達が伸びの低下の共通要因となっている。 しかし、伸びの低下という全般的な傾向に反する部門が2つある。一つはチケット印刷で、これは公共輸送インフラの発達による。ただ、これもデジタル技術の影響で今後の伸びは鈍化するだろう。面白いことにもう一つは紙幣で、10年前の年間4%から201
割れても、断面を押しつけるだけで元どおりに修復できるガラス材料の開発に、東京大学の研究グループが世界で初めて成功しました。 研究グループは新たな接着剤の開発を進めていましたが、偶然、固くさらさらした手触りの物質に自然に元どおりになる自己修復機能があることを発見しました。 この物質は「ポリエーテルチオ尿素」と呼ばれるもので、これを材料に作ったガラスは割れても数十秒間、断面を押しつければ元どおりに修復できます。 また数時間あれば元の強さに戻ることも確認できたということです。 こうした室温環境で壊れても自己修復できる物質はゴムのような柔らかい材料では見つかっていましたが、ガラスのような固い材料では実現が難しいとされていました。 柳沢さんは「見つけたときは自分も半信半疑だったし、論文もさまざまな指摘を受け何度も実験を繰り返した。直るガラスは、壊れたら捨てるというサイクルとは異なる環境に優しい材料に
AIを使い、好きな女優やアイドルの顔をポルノ動画に違和感なく合成することに成功 1 名前:名無しさん@涙目です。(栃木県) [DE]:2017/12/12(火) 12:34:25.57 ID:oLBUmrVK0 映画「ワンダーウーマン」に主演した女優のガル・ガドットさんが、近親相姦もののポルノに出演しているように見えるムービーが作成されました。プログラマーによって作られた映像は非常にリアルですが、機械学習のアルゴリズムを利用して作られたものとなっています。 以下が公開されたフェイクポルノ。画像をクリックするとムービーを見ることが可能で、動きといい表情といい、かなり自然な仕上がりであることがわかります。 ムービーを投稿したのは海外掲示板・redditの「deepfakes」というユーザー。deepfakesさんはTensorFlowのようなオープンソースの機械学習ツールを使用したとのことで、
国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の助成金をだまし取ったとして東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕されたスーパーコンピューター開発会社社長斉藤元章容疑者(49)。医師からスパコン開発者に転じ、会社設立から7年ほどで、政府有識者会議に名を連ね、華やかな交遊を誇った。特捜部は資金の流れについて全容解明を目指す。 「人工知能とスーパーコンピューターは連携できる」。2016年10月、人工知能(AI)や科学技術による経済再生を話し合う政府の有識者会議で、委員だった斉藤容疑者が政府職員や学者らに訴えた。 当時すでに容疑となった助成金を受けた「PEZY Computing」などスパコン関連の5社を運営。米シリコンバレーで医療系法人を設立した経験もあった。内閣府は取材に、実績を考慮して委員になった、と説明する。 国内で広く斉藤容疑者がスパ…
スパコン開発ベンチャーPEZY Computingの齊藤元章社長ら2人を東京地検特捜部が2017年12月5日に逮捕してから2日。逮捕容疑となった助成金の不正受給とはどのようなものだったのか、今も情報が錯綜している。スパコン技術の旗手と呼ばれた同社に何があったのか。 複数の報道機関が報じた齊藤氏の容疑は、経済産業省が管轄する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金約4億円を不正に受給したというものだ。 まずこれまでのPEZY Computingの活動や受給実績を振り返ってみよう。 NEDOがPEZY Computingに交付を決めた助成金の額は以下の通り。総額は約35億2400万円で、このうち(4)(5)は今後交付予定である。 (1)平成22年度イノベーション推進事業/3次元積層TSVメモリ技術を活用したメニーコアプロセッサの開発 助成期間:2010年度~2011年度 約1億1
Googleが大鉈を振るった。不正確な医療情報を大量生産するメディアに。 2016年11月末に閉鎖された『WELQ』以降、ネットの医療情報を巡る動きは、「もぐらたたき」の状態だった。 情報の信頼性よりもコスパを優先し、記事を大量生産して、検索結果を独占する。WELQで問題となった手法を駆使するネットメディアは次々と現れた。 BuzzFeed Japan Medicalや一部の専門家が、問題のある記事やメディアの指摘を重ねてきたが、検索結果上位に不正確な情報が並ぶ状況は続いていた。 それが12月6日、一変した。 検索サービス最大手Googleが「医療や健康」に関する検索結果の改善を目的としたアップデートを実施したと発表したのだ。 これまで情報の信頼性が疑問視されてきたメディアや記事の多くが、検索結果の上位から姿を消した。 BuzzFeed Japan Medicalは、今回のアップデートの狙
通勤電車の遅延について 筆者は日本で最も熾烈な通勤ラッシュとなる東急田園都市線の沿線に住んでいる。この線は、周辺住民の間では、よく遅延する電車として昔から有名であった。現に、今でもほぼ毎日10分から15分程度の遅れは当たりで、「今日は遅延しなかったな」とうれしくなるくらいである。 かつて関西で、分刻みの運行スケジュールを遵守するあまり、強迫観念にかられた運転手が焦ってスピードを出しすぎて脱線、通勤客を中心に多くの犠牲者を出すという痛ましい事故が起きたが、遅延が常態化した電車で通勤する筆者は、運行スケジュールにそこまでこだわる路線もあるのかと不思議な気分になったものだ(もっとも事故を起こすよりは多少遅れたほうがまだマシだが)。 そして、つい先日、田園都市線の連日の運転見合わせ事故が全国ネットのニュースでついに取り上げられた。筆者の実家のある九州の友人などからは、「お前が毎日乗っている通勤電車
伊藤 有/Tamotsu Ito [編集部] and 小島寛明 [ジャーナリスト] Dec. 06, 2017, 05:40 PM テクノロジー 74,028 12月5日、スーパーコンピューター(スパコン)開発の先頭を走る起業家が逮捕されたとの報道で、IT業界に衝撃が走った。「PEZY Computing社長、齋藤元章容疑者、逮捕」。報道によると、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の助成金約4億3000万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。 筆者は、2016年4月に齋藤容疑者を取材している。齋藤容疑者は、少なくとも10社を創業した連続起業家で、関係者の間でも評価の高い有能な人物だ。 朝日新聞デジタルによると、東京地検特捜部に逮捕されたのは、齋藤容疑者と同社の元事業開発部長の鈴木大介容疑者の2人。両容疑者は2014年2月、同社が選定され
Googleのチェス・将棋AI「AlphaZero」、わずか24時間の自己学習で最強AIを上回る 1 名前:ばーど ★:2017/12/06(水) 20:29:39.84 ID:CAP_USER9 世界最強の囲碁AI「AlphaGo Zero」を開発したDeepMind(Google関連会社)が、チェスと将棋のAIに関する論文を発表しました。AlphaGo Zeroと同様の手法を使い、24時間で既存の最強AIを超える実力に至ったとのこと。 AlphaGoは2017年5月、世界トップ棋士である中国の柯潔(かけつ)九段に3戦全勝した囲碁AI。もともと人間同士の棋譜(対局データ)を学習させていましたが、進化したAlphaGo Zeroでは人間の棋譜を用いず、AIによる自己対戦のみで強くする「強化学習」が用いられました。 今回の論文では、AlphaGo Zeroで用いられた手法を「AlphaZer
Simon Wren-Lewis, “Ben Bernanke and Democratic Helicopter Money“ (Mainly Macro, 4 May 2016) 「責任のある政府は文字通りお金を空から降らしたりはしないが、その事実を持ってフリードンマンの思考実験の理論を探求することを妨げてはならない。フリードマンの思考実験とは、極端に明確な形で、政府がデフレに屈してはならないのはなぜかという理由を示すために考えられたものだからだ。」 上に記した言葉はベン・バーナンキの記事からの引用である(彼が誰だか知らないひとのためにいうと、彼はアメリカ合衆国の金融政策の責任者だった人物だ)。この言葉を私が掲げたのは、誰一人としてけして忘れてはならないマクロ経済学の真実を示しているからだ:頑固な不況とデフレはけして不可避なものではない、それは政策担当者が正しいことをするのを失敗したこ
【ワシントン=三井誠】米航空宇宙局(NASA)は1日、太陽の影響下にある「太陽圏」を離れて飛行中の無人探査機ボイジャー1号に搭載され、1980年以来使っていなかったエンジンを37年ぶりに噴射させることに成功したと発表した。 探査機の寿命を2~3年延ばすことが可能になるという。 2014年から姿勢制御に使うエンジンが劣化し始めたため、先月28日、休眠状態にあった軌道制御用の4基のエンジンを試し、使えることを確認した。1977年に打ち上げられたボイジャー1号は、2012年、人工物として初めて「太陽圏」を離れ、「星間空間」に入った。現在は地球から約200億キロ離れた宇宙で観測を続けている。 NASAの担当者は「長く休んでいたエンジンが役目を引き継ぐことができ、うれしく信じられない気持ちだ」とコメントしている。
と題したMetrics Mondayエントリ(原題は「2SLS–Chronicle of a Death Foretold?」)でMarc F. Bellemareが、最近話題になっているというAlwyn Young(LSE)の論文を取り上げている。 The paper is titled “Consistency without Inference: Instrumental Variables in Practical Application.” In it, Young uses the bootstrap to conduct a meta-analysis of 1,400 2SLS coefficients across 32 papers published in the AEA journals, and to essentially ask: “Is 2SLS all t
脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書) 作者: 渡辺正峰 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/11/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る この本を書店でみて意外に思った。 ひところ意識の脳科学の翻訳本が固めて出された時期があったが、最近はひと段落した印象を受けていた。人工知能ブームのなかでも「機械が意識をもつ」という予測を含む「シンギュラリティ論」が一時期注目を浴びたが、今は落ち着いて、むしろ「弱いAI」路線にシフトしつつあるように見える。そうしたなか、本書のようなタイトルの本が出たのは驚きだった。それも日本人の著者による書き下ろし、しかも中公新書でだ。 著者は「意識の脳科学」を研究テーマとする脳神経科学者で、特筆すべきなのが、国内外の様々な分野のパイオニアに師事した経歴だ。あとがきには、師匠の名前として、合原一幸(脳の数理研究
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