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ブックマーク / ima-inat.hatenadiary.org (31)

  • ジジェク「パリ襲撃のあとでこそ左翼は自らの根源的な西洋的出自を受け容れなければならない」 - Hello, How Low?

    スラヴォイ・ジジェクの2015年11月16日の論説(抄訳です)。 http://inthesetimes.com/article/18605/breaking-the-taboos-in-the-wake-of-paris-attacks-the-left-must-embrace-its 2015年前半には、ヨーロッパはラディカルな解放運動(シィリザとポデモス)に熱中していたが、後半には注目は難民という「人道的な」トピックに移った。階級闘争は文字通り後退し、文化リベラル的な寛容と連帯というトピックに取って代わられた。11月13日金曜日、パリでテロによる殺戮が起きると、このトピック(いまだ巨大な社会経済的問題と関係している)でさえ今や、テロの脅威との容赦なき戦いに没頭する民主主義的勢力の単純な反対にあって、勢いを削がれている。 次に起きるのが何かを想像するのは容易い。難民のなかにいるはずの

    ジジェク「パリ襲撃のあとでこそ左翼は自らの根源的な西洋的出自を受け容れなければならない」 - Hello, How Low?
  • '14読書日記40冊目 『〈政治的なもの〉の遍歴と帰結』森政稔 - Hello, How Low?

    政治的なもの〉の遍歴と帰結 ―新自由主義以後の「政治理論」のために 作者: 森政稔出版社/メーカー: 青土社発売日: 2014/06/24メディア: 単行この商品を含むブログ (12件) を見る変貌する民主主義 (ちくま新書) 作者: 森政稔出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/05/01メディア: 新書購入: 10人 クリック: 123回この商品を含むブログ (67件) を見る一部で待望されまくっていた筆者の論文集が刊行された。ちくま新書『変貌する民主主義』がこの時代に民主主義を論じることにつきまとうある種の退屈さ(!)から現代の民主主義をめぐる状況を鋭く論じ、広い読者を得た(に違いない)のに対して、今回のはあまり一般の方にはおすすめできないかもしれない。むしろ筆者が「政治学の思想系」と呼ぶ――門外漢にはほぼ分からないであろう持って回った感じのする、しかしその曖昧さの表現

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  • '14読書日記38冊目 『岩波講座・政治哲学1 主権と自由』 - Hello, How Low?

    主権と自由 (岩波講座 政治哲学 第1巻) 作者: 小野紀明,川崎修,川出良枝,犬塚元,宇野重規,杉田敦,齋藤純一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/03/27メディア: 単行この商品を含むブログ (7件) を見る岩波講座・政治哲学全巻読書プロジェクトを一人でやってます。amazonなんかでもこのシリーズのどれにもレビューがついてなくて、新聞にも書評も出ていないっぽいし、悲しいですね。大学の政治思想史とか社会思想史の授業を聞いてもうちょっと深く学びたいなと思う人には格好のシリーズなので、もっと売れるといいのになあ。書のラインナップは以下。 序 論 川出良枝 I 国家像の変容 1 マキァヴェッリ――自由と征服の政治学 鹿子生浩輝 2 ルターとカルヴァン――近代初期における身体性の政治神学 田上雅徳 3 サラマンカ学派――「野蛮人」と政治権力 松森奈津子 II 主権国家の成立

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  • '14読書日記37冊目 『真の啓蒙』"Die wahre Aufklärung: Zum Selbstverständnis der deutschen Aufklärung" Werner Schneiders - Hello, How Low?

    Die wahre Aufklaerung. Zum Selbstverstaendnis der deutschen Aufklaerung 作者: Werner Schneiders出版社/メーカー: Alber Karl発売日: 1982/11メディア: Perfectこの商品を含むブログ (1件) を見る筆者のヴェルナー・シュナイダースはドイツ啓蒙主義研究の大家であり、初期啓蒙期のライプニッツ、ヴォルフ、トマジウスら、さらに後期啓蒙期の研究がある。書は1974年に出版されており、もっぱら後期啓蒙期すなわち1770年代から1800年頃までの啓蒙文献を扱っている。シュナイダースが書で打ち出したテーゼは、ドイツにおいて啓蒙は「啓蒙についての啓蒙(Aufklärung über Aufklärung)」であったということ、またそれは認識論的なだけではなく実践的な意図をもっていたというこ

  • '14読書日記36冊目 "Verfassungspatriotismus" Jan-Werner Müller - Hello, How Low?

    Verfassungspatriotismus 作者: Jan-Werner Mueller出版社/メーカー: Suhrkamp Verlag AG発売日: 2010/08/16メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見るConstitutional Patriotism (English Edition) 作者: Jan-Werner Müller出版社/メーカー: Princeton University Press発売日: 2009/01/10メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る「憲法パトリオティズム」についての概説書。英語で最初に出たものを、筆者自身がドイツ語に訳し直し2010年に出版した。ヤン・ヴェルナー・ミュラーは先日のブログで訳をあげた記事でもとりあげたが、現在はプリンストン大学の政治学部の教授である。憲法パトリオティズムという概念は、あま

  • '14読書日記35冊目 "Souveränität: Herkunft und Zukunft eines Schlüsselbegriffs" Dieter Grimm - Hello, How Low?

    Souveraenitaet: Herkunft und Zukunft eines Schluesselbegriffs 作者: Dieter Grimm出版社/メーカー: Berlin University Press発売日: 2009/09/30メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る『主権――重要概念の過去と未来』を書いたディーター・グリムは、87年から99年まで連邦憲法裁判所の判事を務めていた法学者である。書は、主権概念を、思想史的考察から現代の議論まで、国内的主権・国外的主権の双方を含めて、簡便に論じている。基的な概念を整理しつつ、最終的にはEUとその内部の諸国における主権の関係まで論じていく書は、主権概念への手引として非常に重宝されるものだろう。主権概念はもっぱら現代の国際関係の中では人気がないが、グリムは民主主義にとって――EU内部のそれにおいて

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  • '14読書日記20冊目 『〈根源的獲得〉の哲学 カント批判哲学への新視覚』山根雄一郎 - Hello, How Low?

    “根源的獲得”の哲学―カント批判哲学への新視角 作者: 山根雄一郎出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2005/02メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る「ア・プリオリ」といえば、カント哲学を特徴づける言葉であるということはだれでも知っていることである。が、それが「生得的」であるということとどう違うのかと問われれば――実は哲学史的には両者の差異は常識に属することなのだが――答えに窮してしまうかもしれない。書は、こうしたカント批判哲学の中枢であるア・プリオリ性に、「根源的獲得」という概念から迫っていく。「根源的に獲得する」という表現は、『純粋理性批判』に出てくるのではなく、それに対してヴォルフ派の哲学者エーバーハルト(J. A. Eberhard)から向けられた批判に対して答えた、『純粋理性の一切の新しい批判は以前なされた批判によって無用とされるはずだ、との発見に

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  • '14読書日記13 『アメリカ感情旅行』安岡章太郎 - Hello, How Low?

    アメリカ感情旅行 (岩波新書) 作者: 安岡章太郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1962/02/28メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る何気なく言った古屋で、100円で売られていたので。安岡章太郎は『海浜の光景』が圧倒的によくて、ほかのものも読もうと思っていたのだけれど、思っていた矢先に出会ったのが、彼が1960年にロックフェラー財団の資金でアメリカに半年滞在したことをまとめた、この旅行記だった。そもそも50年前の日というのも、すでにもはや想像しづらくなっているというのに、50年前のアメリカとなればなおさらで、しかもその紀行文があの安岡によって書かれている、ということだけでも惹きつけられるというものである。 そして、実際に、非常に興味深いアメリカのルポルタージュ(?)になっているように思われる。安岡はなぜか、南部のナッシュビルに長いこと滞在す

    woykiakes
    woykiakes 2014/03/02
    「海浜」→「海辺」…ちなみに「海辺」は「うみべ」ではなく「かいへん」と読む。なんでなのかはわからん。
  • '14読書日記11 『道徳哲学講義』アドルノ - Hello, How Low?

    道徳哲学講義 作者: T.W.アドルノ,Theodor W. Adorno,船戸満之出版社/メーカー: 作品社発売日: 2006/08/01メディア: 単行購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (12件) を見る三つのヘーゲル研究 (ちくま学芸文庫) 作者: テオドール・W.アドルノ,Theodor W. Adorno,渡辺祐邦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/03/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (12件) を見る『三つのヘーゲル研究』が非常に良かったので、アドルノがカントの道徳哲学を講義した『道徳哲学講義』も読んでみた。結論として、非常に良いカント入門書――というかひとわたり入門書を読み終えた人が最後に読むべき入門書――となっていると思う。『啓蒙の弁証法』から入ってアドルノの晦渋さにうんざりした後にこの講義を読めば、

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  • '14読書日記10 『アダム・スミスの自然神学』田中正司 - Hello, How Low?

    アダム・スミスの自然神学―啓蒙の社会科学の形成母体 作者: 田中正司出版社/メーカー: 御茶の水書房発売日: 1993/11メディア: 単行 クリック: 1回この商品を含むブログを見るこれはなかなかものすごい。スミスの根底に流れる自然神学の議論を、スコットランド啓蒙の問題としてすでに存在したものとして捉えて、スミス以前のカーマイケル、ハチスン、ヒューム、ケイムズらの議論を追い、それがスミスによって受け継がれた時に「社会科学」が生誕するという様子をつぶさに明らかにしてみせる。神学の世俗化という単純な理解を超えて、神学がスミスにおいて論証の対象としてではなく、むしろそれが暗黙の前提とされていたからこそ社会の経験的な分析が可能となるという――スミスにならって言えば――意図せざる帰結が生じていくさまは、説得的に見える。そうなれば、やはりスコットランドの文脈においても、(重農主義者やルソーなどの)

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  • '14読書日記9 『藤田省三コレクション』 - Hello, How Low?

    藤田省三セレクション (平凡社ライブラリー) 作者: 藤田省三,市村弘正出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2010/05/11メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 7回この商品を含むブログ (6件) を見る『天皇制国家の支配原理』は序章を一度修士の時に読み、そのブリリアントさと蛋白で無駄のない文体に魅了されたことがある。『コレクション』はその序章から、晩年の思索までを広く収めている。丸山真男より好きかもしれないと思う反面、ややロマン主義的な傾向があるような印象があるのがむっとする気分にもなる。が、高度成長期のイケイケドンドンの時代に、あくまで「反時代的」な「戦後」の視座を持ち続け、しかもそれが高度成長期における「安楽への全体主義」を、そしてその全体主義の中では、生死といった人間の根的な倫理に関わることですらも行政的手続きによって処理される――管理されるとまでは言わないにせよ―

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    woykiakes
    woykiakes 2014/02/13
    脱成長主義とシバキ主義が合体する心性の典型的なサンプル
  • '13読書日記51冊目 『ハンナ・アレントと現代思想 アレント論集Ⅱ』川崎修 - Hello, How Low?

    ハンナ・アレントと現代思想 (アレント論集 II) (アレント論集 2) 作者: 川崎修出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/03/19メディア: 単行 クリック: 46回この商品を含むブログ (7件) を見る296pハンナ・アレントの政治理論 (アレント論集 I) (アレント論集 1) 作者: 川崎修出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/01/28メディア: 単行購入: 1人 クリック: 38回この商品を含むブログ (13件) を見る卒論を書き終えたあとに書を含む著者のアレント論集が二冊刊行され、修士でもアレントをやるつもりでいた僕はそれを買っていたのだが、先生から「アレント研究者は飽和してるから別の人をやるほうがいいのじゃないか?」と言われて、そして今カントをやっているので、このタイミングでなぜ書を読んだのかといえば、それは映画『ハンナ・アーレント』が岩波ホ

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  • '13読書日記46冊目 『ヨーロッパ政治思想の誕生』将基面貴巳 - Hello, How Low?

    ヨーロッパ政治思想の誕生 作者: 将基面貴巳出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2013/08/10メディア: 単行この商品を含むブログ (10件) を見る262p 年度のサントリー学芸賞・思想歴史部門の受賞作。中世ヨーロッパの政治思想史の、邦初と言っても良い格的な概説書である。欧米の研究動向を網羅しつつ、オリジナルな切り口で「政治思想の誕生」前夜を描き出す。書は、あとがきによれば、ニュージーランド・オタゴ大学で開講された「ヨーロッパにおける政治思想 1150-1350」という学部四年生向けの講義をもとにしたものであり、叙述の内容は格的ながら、議論は極めて分かりやすいと言っていい。そして、歴史・神学・政治思想を往還する書は、知的好奇心を盛大にかきたててくれる。 12世紀から14世紀という期間に、その後のヨーロッパの政治思想の文法が形成されつつあった。それを書は、「

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  • '13読書日記39冊目 『君主の統治について』トマス・アクィナス - Hello, How Low?

    君主の統治について―謹んでキプロス王に捧げる (岩波文庫) 作者: トマスアクィナス,Thomae Aquinatis,柴田平三郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/09/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (11件) を見る238p トマス・アクィナスの編自体は100頁そこそこなのだが、付録に訳者の柴田平三郎さんの非常に興味深い解説が付されていて、中性政治思想史の格好の入門書にもなっている。柴田さんは、書の解説だけではなく、書が「君主鑑」というジャンルに属するものであり、それはトマス以前にどういうものであったのか、キリスト教世界がアリストテレスの衝撃以前にどのように政治を考えていたのかなどを、思想史的に明らかにするのである。そして、その上で、トマスの試みたことを、書だけではなく『神学大全』からも引きながら、示してくれているのである。

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  • '13読書日記33冊目 『三つのヘーゲル研究』テオドール・アドルノ - Hello, How Low?

    三つのヘーゲル研究 (ちくま学芸文庫) 作者: テオドール・W.アドルノ,Theodor W. Adorno,渡辺祐邦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/03/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (12件) を見る303p 残念ながら版切れになってしまっているようだが、書はヘーゲルをどう読めばいいか、どう読めば面白く読めるかを、アドルノにはありえないほどの分かりやすさで――それは翻訳者の方針(とにかく短く切って訳す)によるところが大きいのだが――示してくれる。はっきり言えば、『啓蒙の弁証法』のあのわけのわからなさに比べて、はるかに読んで益するところの大きい――「益する」という発想こそ書でアドルノは批判するが――だと思う。 アドルノのヘーゲル読解の肝は、ヘーゲルの叙述の中にある非同一性に徹底してこだわるということである。弁証法は非同一性を

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  • アレント『暗い時代の人々』序文とブレヒト「後世へ向けて」 - Hello, How Low?

    暗い時代の人々 (ちくま学芸文庫) 作者: ハンナ・アレント,阿部斉出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/09/07メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 12回この商品を含むブログ (31件) を見るリベラル・デモクラシーと神権政治―スピノザからレオ・シュトラウスまで 作者: 柴田寿子出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2009/09/01メディア: 単行購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (13件) を見るお亡くなりになった柴田寿子先生のアレントについて書かれた論文(「政治的公共圏と歴史認識――アーレントにおける「光の物語」と「闇の記憶」」『リベラル・デモクラシーと神権政治:スピノザからレオ・シュトラウスまで』東京大学出版会、2009年所収)を読んでいたら、なぜかすごくぐっときてしまった。アレントにおいて公的領域に属さない事柄は、公的領域が人々が誰

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  • '13読書日記31冊目 『第三身分とはなにか』シィエス - Hello, How Low?

    第三身分とは何か (岩波文庫) 作者: シィエス,稻洋之助,伊藤洋一,川出良枝,松英実出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1950/05/05メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (5件) を見る257p 愛には愛で感じ合おうよ。恋の手触り、消えないように。何度も言うよ。君は確かに、僕を愛してる。迷わずに。シェイエス。アベ・シェイエス。 訳者によればシィエスの発音表記がしっくりくるらしいですが…。 憲法制定権力のところはやはり非常に興味深いです。解説を書いている伊藤先生によれば、シィエスの代表制度による権力分立は、モンテスキューのものとは違って、垂直的な関係にある。つまり、憲法制定権力が上位にあって、その拘束を受ける形で立法の代表がいる。カントの代表制とすごく近いような気がします。カントはシィエスの議論をどの程度知っていたのだろうかと想像を巡らせました。憲法制定権

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  • '13読書日記28冊目 『法の究極に在るもの』尾高朝雄 - Hello, How Low?

    法の窮極に在るもの 作者: 尾高朝雄出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 1956/03メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る285p 昭和二十一年初版、昭和三十年新版。安藤馨さんの功利主義に取り上げられていたのを見て、このを読もうと思った。法の究極に在るもの。この表現だけで、分かる人には分かるだろうが、構成的権力(憲法制定権力)の問題、あるいは例外状況における主権の問題が論じられている。法を生み出すあるいは規制するのは理念である。しかしその理念は人間を動かし、法に結実させるような力を持った現実から離れては、法を生み出すことはできない。となれば、法の究極に在るものはこの現実、つまり政治である。自然法と実体法の関係を見たあと、法秩序そのものを作り出す力である憲法制定権力、さらには法秩序そのものを停止させる力としての革命権と国家緊急権(例外状況における主権の決断)の問題に踏

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  • '13読書日記14冊目 『自由の秩序』ヴォルフガング・ケアスティング - Hello, How Low?

    自由の秩序―カントの法および国家の哲学 (MINERVA人文・社会科学叢書) 作者: ヴォルフガングケアスティング,Wolfgang Kersting,舟場保之,桐原隆弘,寺田俊郎,御子柴善之,小野原雅夫,石田京子出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2013/01/01メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る441p 総計7191p カントには哲学があるが、政治哲学はない、あっても老衰の産物(つまり馬鹿げたもの)だ(大意)というショーペンハウアーに端を発する誤解が蔓延して久しい中、彗星のごとく登場した格的なカンと法哲学の研究書である。『人倫の形而上学・法論』の詳細なコメンタールとなっている書は、カントの法哲学がまさに批判哲学の作法によって隅から隅まで構築されているということ、それは理性法の観点から自由主義を徹底的に擁護し、しかも同時に革命ではなく改革を統治者に義

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  • '13読書日記9冊目 『知の考古学』ミシェル・フーコー - Hello, How Low?

    知の考古学 (河出文庫) 作者: ミシェル・フーコー,慎改康之出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/09/05メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 19回この商品を含むブログ (37件) を見る427p 総計4731p 中村訳も持っていたのだけれど、文庫版が出たしかも新訳でわかりやすいらしいとのことを聞き、真改訳で読了。確かに、日語としてすらすら読める。が、内容がわかりやすいわけではない。言表、言説形成、断絶、閾、ポジティヴィテ、アルシーヴ、考古学、歴史的ア・プリオリ、知、エピステーメー。フーコーの独特の言葉の使い方に振り回されっぱなしという感じもしないでもない。『狂気の歴史』、『臨床哲学の誕生』、『言葉と物』と三冊書いてきたフーコーが自らの方法論について弁明ないしその意図する射程を語る、というのが書の内容となっている。フーコーは同時代のフランスのコンテクストをかなり

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    woykiakes
    woykiakes 2013/03/02
    中村雄二郎訳の方をブックオフに売っぱらったら50円にしかならなかったのはちょっとショックw