第1回 プロローグ 突然ですが、大学受験前日の話をします。 かれこれ、15年も前のことになります(人生のおよそ半分!)。 僕は、心理学を勉強しようと、筑波大学を一本受験することにしました。 筑波という土地に魅せられて、心理学という学問に救いを求めて。 当時の僕は、何も情熱を打ち込めるものがない、空っぽな存在でした。 筑波に行けば、心理学を学べば、自分はどうにかなるはず。 結局のところ、現役で行くか、浪人して行くか。 僕は絶対、筑波に行くんだから、そりゃあ一本受験だろう。 一見、潔いようで、相当、追いつめられていたような気がします。 それが、思春期ってものなのかもしれません。 単純で、極端で、若かったんです。 そういえば。受験前日の話でしたね。 と言うか、受験に<彼女>なんて、出てくるのかって? もちろん当時は、僕に<彼女>と呼べる人はいませんでした。 完膚なきまでに、