2011年2月8日 調査統計局 伊藤雄一郎、稲場広記、尾崎直子、関根敏隆 全文 [PDF 537KB] 要旨 対外競争力を測るうえでは、単に名目為替レートの動きだけではなく、各国の製品価格の変動を考慮に入れた実質為替レートを用いる方が望ましい。また、グローバル市場全体での競争関係をみるためには、単一通貨だけではなく、複数通貨の動きをおさえた実効為替レートを用いる必要がある。実質実効為替レートは、この両点を勘案しているため、円ドル・レートといった単一通貨の名目為替レートよりも、対外競争力を適切にあらわしている。実際の計算にあたっては、実質化、実効化の両面で様々な論点があるが、現在日本銀行が用いているBISベースの実質実効為替レートは、重要な要件を比較的よく備えているといえる。しかし、実質実効為替レートを用いて競争環境を過去と比較する際には、単純に水準の高低を比べるのみならず、急激な変化の有無