さまざまな理由で大学進学を阻まれる若者たちがいる。懸命に学び続けようとする彼らの「学びのセーフティーネット」になっているのが、放送大学だ。なぜ、放送大学を選んだのか。 【年表で見る】放送大学の沿革はこちら * * * 母子家庭に育った。家計に余裕がないことは知っていた。それでも、高校時代は塾にも通わせてくれた。大学に進学できると思っていた。神奈川県大和市の小澤茜さん(19)は振り返る。 現役合格を目指して勉強し、東京理科大学理学部と立教大学理学部に合格した。母親は小澤さんに言った。 「お金は出せない」 祖母の助けがあった。一人っ子の小澤さんのために40万円を貯金していてくれた。夜間部の学費は昼間部より60万円ほど安いこともわかった。小澤さんは自宅外通学では最高額の月6万4千円の奨学金を借り、東京理科大学理学部第二部への進学を決めた。 8時に起き、9時半~14時に紳士服店でアルバイト。1