このホームページでも睡眠と覚醒を調節している機構についての研究を何回か紹介してきた。研究は、眠りの様々な状態を維持するための神経サーキットについて研究する方向と(http://aasj.jp/news/watch/2210)、脳脊髄液内の物質の変化を追求する方向(http://aasj.jp/news/watch/608)、に大別できるようだ。それぞれの研究を読むと、門外漢の私などはすぐに説得されるが、よくよく考えてみると、どちらの方向からも、最初から最後までの因果関係を説明するシナリオは出ていない。しかし、素人に取っても面白い研究の多い分野であることは確かだ。 今日紹介するロチェスター大学からの論文は、細胞外のカリウム濃度が睡眠と覚醒のサイクルを反映しており、この濃度差が脳全体の興奮性を調節している主因であることを示した研究で、4月29日号のScienceに掲載された。タイトルは「Cha