「AならばB」であっても、それだけでは「BならばA」だとは断言できません。この事実を「逆、必ずしも真ならず」と言ったりします。しかし我々は、「AならばB」から「BならばA」を導くことがあります。そして、それが“全く不合理な判断だ”とも言えないのです。 古典論理では認められていなくても一理ある推論(のいくつかの形式)をアブダクションと言います。「AならばB」から「BならばA」を導くのもアブダクションの一種です。このアブダクションを確率的推論の立場から分析してみます。 内容: 一理ありそうな推論 黒いはカラス 「『カラスは黒い』が本当だ」とはどういうこと? 鳥に関する観測結果をテーブルで表す 同時確率テーブルと条件付き確率テーブルの転置 真である度合 一理ありそうな推論 古典論理や直観論理から見て認められない推論でも、なんか一理ありそうな推論があります。一方、どう考えてもおかしい、まったくデタ