第一回 第二回 ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。 filmart.co.jp ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp 紹介 - ホラーの詩学 断片的にいくつか紹介してきましたが、『ホラーの哲学』を、トータルに紹介することもしてみようと思います。 『ホラーの哲学』とはどんな本か。ふたつの軸で整理するならば、縦軸は「ホラーの詩学」であること、横軸がパラドックスであるという整理を思いつきました(縦と横は特に意味がないのでどっちがどっちでもいいです)。おおむねふたつとも「序」に書いてあることですが。 「ホラーの詩学」とは何かというと、要するに〈制作〉の観点からのホラー論であるということです。 キャロルの言い方で言えば、「アリストテレスが〔『詩学』で〕悲劇に対して行ったことを、ホラージャンルに対して行う」(p.8)。アリ