アホウドリを追った日本人――一攫千金の夢と南洋進出 (岩波新書) 作者: 平岡昭利出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/03/21メディア: 新書この商品を含むブログ (14件) を見る一気に読んでしまいました。明治期から戦前までの太平洋離島の開発史、というより収奪史ですが、「離島の生態」と「経済」と「国際問題」をみごとに連結しています。小笠原・鳥島や尖閣諸島での一獲千金のアホウドリ捕獲から始まって、これらの島が枯渇したあとのハワイ近海での密猟、労働者の実態(かなり悲惨です。悪質な雇用者では、船で羽毛だけを回収し、労働者は島に置き去りというケースも頻繁にあったそうです)、南方諸島の海鳥およびグアノ資源をめぐる日米の軋轢へと時代は進んでいきます。特に、今でも少年向け冒険物語のように読まれている「龍睡丸漂流記」の裏事情に対する著者の分析は見どころ。そのほか、生態学をやっている方とすれ