物理学賞「死んだマスの遊泳能力」 平和賞「ハトの力でミサイル誘導」 植物学賞「植物には『目』がある」 2024年のイグ・ノーベル賞が米マサチューセッツ工科大学で9月12日(日本時間13日朝)、発表されました。東京医科歯科大の武部貴則教授らのグループが生理学賞を受賞し、日本人のイグ・ノーベル賞はこれで18年連続となりました。ただ、受賞した残る9件の研究も、おもしろいものばかり。研究者たちからいただいたコメントとともに、紹介します。(朝日新聞デジタル企画報道部・小宮山亮磨)
『ブラック・ジャック』のドラマ化に伴い、衝撃的な、かつ“闇医者”ブラック・ジャックの生命倫理観を示すエピソードとして、原作マンガの「無脳児(作中では無頭児)」の回を紹介するSNS上の投稿が拡散されています。無脳児とはどのような状態で、その親はどんな選択や対応をし、どんな思いを抱くのでしょうか。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎) 製作発表時から話題になっていた、手塚治虫さんのマンガ『ブラック・ジャック』の24年ぶりとなるドラマ化。原作からの設定の改変に伴い、キャラクターの生命倫理観が取り沙汰されています。 その中で、主人公の“闇医者”ブラック・ジャックの生命倫理観を反映するエピソードとして、原作マンガの第12話「その子を殺すな!」の回を紹介する投稿がX(旧Twitter)に投稿され、拡散されています。 見る人がグロテスクに受け取るであろうタッチで、大きく描かれた無脳児(作中では<無頭
WHOが先月発表したガイドラインでは、いわゆる“ゼロカロリー”“糖質ゼロ”とうたわれる食品に使用されている甘味料が、実はダイエットにはNGであるという見解が示されました。「カロリーや糖質ゼロ」なのに「体重減少効果がない」とされたのは、どのような理由からなのでしょうか。甘味料に関するこれまでの研究結果をまとめます。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎) WHOが5月15日付で発表したガイドライン(※1)は、ダイエットに興味がある世界中の人に衝撃を与えました。その内容は「砂糖代替の甘味料に体重減少効果はなく、むしろ病気のリスクを高める」というもの。 日本でも「健康に良さそう」という理由で、「ゼロカロリー」「糖質ゼロ」のジュース飲料などを選んでいる人も多いことでしょう。 しかし、WHO栄養・食品安全担当ディレクターのフランチェスコ・ブランカさんは、「砂糖をNSS(Non-Sugar Swee
わざわざ家にやってきた先生 1浪、2浪するも…… 自分の得意分野は「絵」 「お前は才能があるから、美術部に入って美大を目指せ」。高校1年生のとき、美術部の顧問に背中を押された男性。美大への夢はかないませんでしたが、50代になった今でも「絵を描くことが好きなのは、先生のおかげかもしれない」と感じています。 「寂しげ」が自分らしい 青い空、青い海、ぽつんとたたずむ1匹の黒猫。 福島県に住むごまらーめんさん(@gomaramen888)は、気の向くままツイッターに水彩画を投稿しています。その多くは、青を基調に1匹の黒猫が登場する作品です。 「寂しげなほうが落ち着くというか、描いていて自分らしい感じがするんですよ」 幼い頃からよく新聞広告の裏に絵を描いて遊び、高校時代は美術部に入っていました。「青を使うことや、ひとりでぽつんとしているような絵は昔から多かったですね」と話します。
――「マンボウは3億個の卵を産むが、成魚になれるのは2匹程度」というのは本当なのでしょうか? 正しい情報と間違った情報が混ざっています。そもそも、マンボウがどれだけの卵を産むのか、またそこからどれくらいの数が成魚になるのかはまったくわかっていないんです。 ――では、なぜこのような噂が生まれたのでしょうか? 発端は1921年、つまり100年以上前にイギリスの有名な科学雑誌『Nature』で発表された、Schmidt氏の論文です。この論文には、「マンボウの卵巣内に3億個以上の小さな未成熟の卵が含まれていることを発見した」という短い一文が記載されています。 ――となると、「3億個の卵を産む」というのは本当だったということでしょうか。 そうではありません。現代の知見では一般的に、「未成熟の卵」は「これから産み出される卵」として数えません。メスの体内で成熟していく過程で、卵の細胞数が変わり、また細胞
「こんなはずでは…」全身に汗かく猫 労災を起こすキャラに感じた適性 原作者が協力、熱中症予防を自分事に 新緑の季節を迎え、気温が日々ぐんぐんと上がっています。そろそろ心配になってくるのが、熱中症です。予防について呼びかけるため、猫のキャラクター「仕事猫」を起用した啓発ポスターが、ネット上で話題を集めています。意外な組み合わせが実現した背景事情を、制作元に聞きました。(withnews編集部・神戸郁人) 「こんなはずでは…」全身に汗かく猫 ポスターは、事業主が行う労働安全衛生活動を支援している団体・中央労働災害防止協会(中災防)が、今年4月に発売しました。ヘルメットをかぶり、「ヨシ!」と指さし確認する姿でネット上での人気が高い、仕事猫とのコラボデザインです。 「熱中症がねらう!」。ポスター上部を埋める、赤地に白抜き文字の手書きコピー。直下には「二日酔い」「食事抜き」「夜ふかし」「過信」と、熱
何かよく分からないものは「アート」 定義されない場所を減らしたい 隠された「排除」の意図に気づくと… 都市の駅のスペースにあるデコボコした突起のようなオブジェ、公園や路上では仕切りのあるベンチが当たり前になってきています。ホームレスが寝そべったり滞在したりしないよう〝排除〟する「排除アート」「排除ベンチ」とも言われます。建築史家の五十嵐太郎さんは、「公共空間に誰かが滞在する可能性をつぶすもの。そんな風に他者を排除していった都市は、誰にもやさしくない都市なのではないか」と指摘します。 排除アートが広まり始めたのは… オープン1年を迎える複合商業施設のミヤシタパークには、座面がメッシュ状になっていたり、腰かける部分が棒状のポールになったような座りづらいベンチがあります。 好意的に「アートがいっぱい」とメディアで紹介されることもありましたが、五十嵐さんは「アートの名のもと、排除の意図がカモフラー
「民主主義の窓口」 「秘書に任せていた」 森友の成功体験 【金曜日の永田町(No.9) 2020.12.26】 菅義偉首相が新型コロナウイルス対策で支持率が急落するなか、今週の国会の主役は安倍晋三前首相でした。「桜を見る会前夜祭」の責任をとるどころか、次期衆院選への立候補表明までした安倍さんが資料の提出に難色を示すわけは――。朝日新聞政治部(前・新聞労連委員長)の南彰記者が金曜日の国会周辺で感じたことをつづります。 「民主主義の窓口」 3年連続で100兆円を超えた新年度予算案が閣議決定された今週。国会は例年であれば、秋の臨時国会と、年明けに予算案などを審議する通常国会の谷間の時期ですが、慌ただしく人が行き交いました。 12月23・24日には、「GoToトラベル」事業を担当する国土交通委員会に、政府の分科会会長の尾身茂さんなどを招き、新型コロナウイルス対策に関する質疑が行われました。 また、
飲んでもつまらない噂は印象操作? 70年代アイドルが好きという素顔 派閥の会長を辞めた理由 9月の自民党総裁選で敗れた自民党の元幹事長、石破茂(いしば・しげる)さん。ワイドショーなどでは石破さんが自民党内で人気がない理由として「飲みに行っても政治の話ばかりで全然面白くない」「上から目線でつまらない」などと評されました。石破さんは本当に飲んでも楽しくないのか。笑下村塾たかまつなながその真偽を検証すべく、石破さんを飲み会にお誘いしました。 飲んでもつまらない噂は印象操作? ――石破茂は飲んだら本当に楽しくないのか。ということで石破茂さんにお越しいただきました。きょうは石破さんがよく利用されるという「赤坂三平」というお店に来ています。 石破:今回の記事、すごいタイトルですね。ここは最近よく使う有名な和食屋さんです。赤坂のど真ん中、駅から2、3分なのにお昼の定食が1000円なんですよ。特にアジフラ
混雑率199%「オフピークプロジェクト」とは 「オフピーク芸人」今後も登場 新型コロナで利用者約20%減 「ピークを知る男」ーー。列車の混雑時の利用を避ける「オフピーク通勤」をすすめる東京メトロのポスターに写っているのは、お笑い芸人のダンディ坂野さんと小島よしおさん。一世を風靡する大ブレイクを果たした2人を「ピークを知る」と表現するコピーに、「センスがいい」「じわじわくる」と話題になっています。東京メトロの担当者に聞きました。
私は、都内の大学に通いながら、お笑い芸人の、たかまつななさんが運営する「笑下村塾(https://www.shoukasonjuku.com/)」でライターをしています。今回、話を聞いた、りのさんは、高校時代からYouTubeで性教育を発信。現在は慶應義塾大学総合政策学部の1年に在学しながら性教育プロデューサーとして活動しています。 ――YouTubeで最初にりのさんの動画を見た時は大学1年生の時でした。普段、見ている動画はメイクやファッション系のため初めてりのさんの動画を見た時はJKが性教育を発信していることにとても驚きました。性教育の発信を始めたけっかけはなんですか? りの:一番大きかったのは当時付き合ってた彼氏に、「後でお腹殴ればいいからコンドームしなくていいよ」と言われ続けたことです。それは、教育をしっかりされていないのがいけないけどそもそも殴るのはだめじゃない?って思いました。私
運動したいと思っている現実 「ボーッと」できる時間なんかない 「叱る」よりしてほしいことがある 「ボーッと生きてんじゃねーよ!」の決めぜりふでおなじみのNHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!」のMC「チコちゃん」が10月30日、スポーツ庁の女性スポーツ促進キャンペーンのアンバサダーに就任しました。「スポーツをせずに『ボーッと生きてしまう』女性に向けて〝5歳の女の子〟が鋭く切り込む!」がうたい文句。しかし女性のスポーツ実施率が低迷しているのは、「ボーッと生きて」いるせいなのでしょうか?「チコちゃん」の決めぜりふに感じた違和感から、「ボーッと生きてるわけじゃない」女性の運動不足について考えました。(朝日新聞スポーツ部記者・伊木緑) 取材案内に感じた疑問 30日に行われた任命式。同庁の鈴木大地長官は「チコちゃんは幅広い年代に人気の方。アンバサダー就任で女性スポーツをさらに進めていきたい」と話し
中高年になったロスジェネ お金を渡せばいい つながり失うことを恐れない 「ロスジェネに、つながりはいらない」。ロスジェネの代弁者として発信を続けてきた赤木智弘さんは、雇用対策や街コンなど、つながりのきっかけを作ろうとする政策の限界を指摘。そして、ロスジェネを救う手段は「お金を直接、分配すること」だけしかないと訴えます。「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」で注目を浴びた赤木さんに、今、ロスジェネのためにできることをつづってもらいました。 中高年になったロスジェネ ロスジェネが注目された時代から、すでに10年以上が経った。 10年が経ったということはどういうことか。 それは「ロスジェネ世代が10歳、歳を取った」ということを意味する。 冗談やちゃかしで言っているわけではない。 10年前、すでに30歳前後となり、若者とは言ってもギリギリだった人たちは、その10年後には
行きつけの「道場」 知られざる猛者たち ゴールデンウィークに大阪へ 今年2月、強豪ひしめく格闘ゲームの世界大会で、無名のパキスタンの若者が「番狂わせ」の優勝を果たした。さらに業界を騒然とさせたのは優勝後に放った一言。「パキスタンには強い選手が、まだまだいる」。まるで漫画のような展開。真偽を確かめるため訪れた現地で待っていたのは「ラホールの強心臓」「コンボの魔術師」「青シャツの神童」などの猛者たちだった……。ネットゲームの時代、わざわざゲーセンに通う理由。宗教指導者に「がん見」されながら腕を磨くそこはまさに「虎の穴」。パキスタンでいったい何が起きているのか。真相を探った。(朝日新聞イスラマバード支局長・乗京真知) 行きつけの「道場」 1千万人超が暮らすパキスタン東部ラホール。砂ぼこりが舞う大通りを2人乗りのバイクが競うように走り抜けていく。流行をいち早く取り入れる学生や商魂たくましい起業家が
会場をわかせるダンサー 上京して3年、厳しい現実 小さくても「こんなこともできるんだぞ」 身長124センチ。ちびもえこさん(23)は7歳児の平均とほぼ同じ背の高さです。「私は子どもではなく、小人(こびと)症です」と訴えています。極端に背が低いため、ジロジロ見られたり、日常生活に困ったりすることはありますが、「かわいそうとは思ってほしくない」と話します。スタイリストになる夢を追いかけ岩手から上京したものの、挫折を体験。いまは、ダンサーとして小さな体を生かした表現に挑んでいます。 会場をわかせるダンサー マリリン・モンローの妖艶(ようえん)な曲が響き渡る中、セクシーなドレスを身にまとった、ちびもえこさんが登場すると、会場がわきました。2月中旬、東京都渋谷区の「KAWAII MONSNTER CAFE」。大きなケーキ形のピンク色の舞台の上で、ちびもえこさんは踊りながら腰をくねらせ、ドレスを大胆に
花農家から失踪したベトナム人実習生が乗ったと思われる沖縄行きのフェリー。7時間で那覇に着く=鹿児島県和泊町の和泊港 出典: 前利潔さん撮影 「お母さん、あの子、おかしい」 「SIMカードを買ったらおしまい」 「逃げられる島」監視置かないワケ 鹿児島市から飛行機で南に1時間ほどの沖永良部島は、花の島だ。年間平均は気温22度。距離も風土も、沖縄に近い。私は今秋、別の取材でこの島を訪れたとき、主要産業の花栽培農家から外国人実習生にまつわる思いがけない話を聞いた。「SIMカードを買ったらおしまい」。実習生が次々と失踪するのに、空港や港には監視を置かない理由。そこには全国の過疎地に共通する苦悩が、くっきりと映し出されていた。(朝日新聞記者・堀内京子) 「島には戻らない」マスクの意味は 青い空にハイビスカスの赤が映える沖永良部島。サトウキビ畑の中にある何軒かの花農家を、私がレンタカーで訪ねたのは、9月
「なんで日本の子はいいの?」にたじたじ 「買っちゃだめ」より、翻訳アプリ 日本で教えた「静かにしててね」 子育ては誰にとっても大仕事です。もし、言葉も文化も分からない国だったら、なおさら。豚やアルコールは食べてはいけない、1日5回の礼拝がある、など厳しい戒律を持つイスラムのママたちは、日本で暮らしながらどんな子育てをしているのか、聞いてみました。「テレビはNHKしばり」「日本人ママは最強」など、そこには予想もしない世界が。 「なんで日本の子はいいの?」にたじたじ とある金曜日の夕方、東京・目黒区にあるインドネシア・モスクに行ってみました。仕事や留学などで日本に暮らしているインドネシア人たちが寄付を集め、昨年完成したばかり。ムスリム人口が増えるのに伴い、国内でもモスクが増えていると言います。 色とりどりのヒジャブをまとった女性たちに「日本生活って、ムスリムママにとって、どうですか?」と聞いて
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